第3話

なんとなくわかったことがある。

僕の転生したときに得てきた物は、妹への愛とちょっとした日常(?)の知識だけ。

所謂、知識チートとかはできない。

僕には、なんとなくの知識はあるけど具体的なことは分からない。

ラノベ展開って、単語は分かるけど。

意味は分かんない。

むしろ、さっきからいってるチートってなに?

時間が経つにつれ、零れていった妹の記憶はなんとなく戻って来た。

これは、記憶というよりも魂に刻まれているような気がする。

隣に寝ている妹が愛しくてたまらない。

頭を撫でたいし、抱きしめてあげたい。

まあ、身体が思うように動かないから今は無理だけど。

リサも、目を覚ませば僕の顔をよく眺めている。

母は、先ほど多分メイドに連れていかれた。

この家は、メイドがいるような格式のある家ということになる。

そういえば、母の目は深紅だった。

あんな目の色は知らない。

たぶんここは異世界なのだろう。

魔法とかある世界だといいなあ。

心が躍る。

「無詠唱」だと。「全属性使いだと」とかお約束の展開は面白そうだ。

ん?ムエイショウ?ゼンゾクセイツカイ?なんのことだろう。

よくわからない単語がいっぱい出てくる。

それにしても、赤ん坊は退屈だ。

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