第2話
「あら、シンくん起きたのですね。ママですよ」
と頭上から金髪で前にリボンで結んだ長髪を流した女性がのぞき込む。
まあ、「ママ」と自称しているのだから母親なのだろう。
しっかりとはまだ見えないが綺麗な顔立ちなのはわかる。
きっと、妹はこの母に似るのだろう。
僕は、顔にペシペシと当たる髪のリボンを両手で払おうとする。
「あらあら、ママの髪で遊ばないでシンくん」
そういえば、「シン」というのが僕の名前なのだろう。
いや、愛称なのかもしれない。
「あら、リナちゃんも目覚めたのね。ママですよ」
母は、隣に寝かせれている妹に声をかけた。
「リナちゃんは、ホントお兄ちゃんが大好きね。
ずっと手を握ってるわ」
やっぱり、妹で合っていたようだ。
今世の妹も可愛いな。
前世の妹も可愛かった・・・はずだ。
ダメだ、もう思い出せない。
でも、「リナ」の名前を聞いたとき心が震えた。
きっと、「リナ」という名前だったのかもしれない。
「シンくん、リナちゃんが笑っているわよ。
よかったね」
そう、母が僕に告げる。
リナを見る凄く嬉しそうに微笑んでいる。
その表情を見たらドキっとした。
なんだろう、その瞳を知っている・・・色はきっと違うけど眼差しが。
あはは、きっと彼女は僕についてきたのかもしれない。
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