2冊目 『岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた。』

『岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた。』

ほぼ日刊イトイ新聞 編 ほぼ日ブックス 出版



2023/03/16/読了


 岩田聡さんというのは、ゲーム会社任天堂の社長さんだった方です。

 2015年に病気で亡くなられました。


 今でも覚えているんですけど、私はその訃報を聞いた時に、とてもショックを受けて、思わず泣いてしまったんですよね。ゲームは好きでよく遊んでいますが、社長さんがどんな人かなんてまったく知らなかったのに。テレビで有名人の訃報を聞いても、いつもは他人事であんまり悲しまないのですが、この時だけはなんだか涙が出てきました。


 それで、この本は2019年に出版されたものなのですが、ずっと読みたいなと思っていて、今さらやっと読めました。


 編集・出版をされている「ほぼ日イトイ新聞」というのは、コピーライターである糸井重里さんが経営している会社です。糸井さんは『MOTHER』というゲームを手がけた人でもあります。それで、ゲーム作りを通して糸井さんと岩田さんは知り合って、親睦を深めていったそうです。


 本の中は、インタビュー記事などで岩田さんが語られた言葉がそのまま載せられています。岩田さんの語り口調で、目の前で話を伺っているような感覚になりました。


 読んでいて思ったことは、岩田さんの人柄がすごく伝わってくるんですよ。もともとプログラマーだった方なんですけど、考え方が合理的で、でもとても優しい人だったんだなと感じました。


 経営の話が出てきたり、「Wii」や「ニンテンドーDS」を開発している時の話が出てきたりして、「任天堂のトップはこんなことを考えていたんだ」って、改めて驚かされました。


 そして最後のほうには、現任天堂社長の宮本茂さんや、糸井重里さんが、岩田さんについて語る文章が載っているんですけどね。「あぁ、本当に互いを信頼していたんだ」っていう気持ちがひしひしと伝わってくるんですよ。


 この本は、岩田さんを好きな人たちが、大切に作り上げた一冊なんだなって。そう思うと、また泣けてくるんですよね。今も書きながら泣いています。涙腺が緩くなったなぁ。


 今回も、素敵な読書体験でした。

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