第5話 Ich libe ――(3月23日)

 漫画などを見ていて気に入るキャラクターがいるが、それを自己分析にかけていくと自分の好みが分からなくなっていく。

 以前「私の愛した女性たち」という題で自己分析を図るエッセイを書こうとしたが、書きながら小恥ずかしくなり断念したこともある。

 それを日記にかこつけて再び試みようとしているのだが、書き始めから困惑が隠せない。


 最近はめっきりとアニメや漫画を見る回数が減ってしまい、これはという子に出会うことも少なくなった。

 それでも、直近の三人を選ぶと「ウマ娘」のオグリキャップ、東北きりたん、「艦これ」の北上と並ぶ。

 オグリキャップがせめてセイウンスカイであれば、俎上にあるマイペースで説明がつくのだが、残念ながら平坦な思慮は許されぬらしい。

 単純に見境がないだけと言われてしまえばそれまでなのだが、それでは少々味気ないため、少しばかり戯れにお付き合いいただければ幸いである。


 艦これの北上と東北きりたんであれば、まずはスレンダーという共通点があてはまる。

 加えて普段は気まぐれで、何かにつけて真面目にこなそうとすることはない。

 言ってしまえば少々擦れたところがあり、これはオグリキャップと大きく異なるところであろう。

 やはり少々違いが大きい。


 きりたんとオグリの共通点を考えた時、地方出身というのは大きいのかもしれない。

 方や東北から、方や笠松から現れた輝きが、人々を魅了したのは明確である。

 きりたんがクラウドファンディングで集めた約八倍の資金と、オグリが巻き起こした十七万人のコールの何と目映いことか。

 社会現象と比べるのは少々おかしいのかもしれぬが、人々から集めた愛情と願いの大きさは疑うべくもない事実である。


 オグリと北上の共通点を考えた時、これほどに困ることがあるだろうか。

 強いて言えば平成三強で最後まで走り抜いたことと、姉妹艦の中で唯一終戦を迎えられたところは共通している。

 北上の方は途中で回天搭載艦としての改装と訓練を施されているが、結果としてその姿で投入されることはなく、復員船として役目を終えた。

 ただ、それまでに球磨型の姉妹艦は戦没しており、それが薄っすらと影を差すように思う。

 一方のオグリは多くの強敵と競い合ったが、やがては彼らの中で最後まで走り抜いて屈辱も味わいつつ、最後には多くの人々に感涙を贈った。

 これがオグリと北上の共通点として挙げられることであり、決してちらりと覗くおへそに至高の快感を味わっているわけではない。


 こうした組み合わせが結果として私の嗜好に合っていたのかもしれないが、一つだけ彼女らを貫く共通項がある。

 それは覚悟を決して何かのために戦う時、その凛々しさが際立つということである。

 争いとは必ずしも良いものではないが、それでも、自分ではなく他者の為に競い挑む姿に恍惚となるのは止められない。

 自己犠牲といえば言い過ぎかもしれないが、こうした他人への在り方こそが真のアイドルであり、私を魅了して止まぬ。

 故に、私はこれからも彼女たちに夢を託し、魅かれ続けるのだろう。

 何とも幸せな話である。


 さて、奇麗に締めたところでここに「カードキャプターさくら」は李小狼を加えることとしよう。

 なに、同じですよという打つ自分の顔を画面越しに見て、思わずぞっとしてしまった。


【食日記】

朝:ハッシュポテト、ファミチキ

昼:鴨出汁蕎麦、ライスバーガー(カルビ)

夜:豚と厚揚げの焼肉炒め、焼き豚炒飯、ウィスキーお湯割り3

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