衝撃走る
「修学旅行までにお小遣い貯めなきゃ……」
話したら、こんなことになる気はしていた。虚ろな目をした女子生徒がブツブツ呟き。
「すげぇ、すげぇアイテムだよ? けど、彼女とか使ってくれる娘居なきゃオレらにゃ全く無縁じゃん!」
男子生徒が一人、頭を抱えている。
「佐藤、確かお前ってねーちゃん居たよな?」
「面白いこと言うね、ちょっと廊下出ようか?」
かと思えば右手の方は件かが勃発直前で。混沌、混沌が教室を支配していた。
「生徒会長か修学旅行の班が同じだった先輩……あちゃあ、面識もコネもないわ。そもそも生徒会長と同じ班の班員なんて知らないし」
「通過、お前よくそこまで冷静に考えられてるな。リサイクルショップの名前とか立地とか聞いておかないと話にならないって言うのはわかるが……」
中には真面目に豊胸の実を手に入れようと考え出してるクラスメイトもいるらしい。
「先輩のクラスもおおよそこんな感じかな……」
あちらは痴女先輩と同じ班のメンバーもいるだろうから別の理由で騒がしかったりするかもだけれど。
尚、僕が豊胸の実の効果について知っていたことに関しては父の友人が深層探索者で珍しいものが手に入るかもしれないと聞いてダンジョンの産出アイテムについて色々調べた時にたまたま知ったものの一つだったとクラスメイトには話してある。
その結果、痩せる果実だのイケメンになる実だのは無いかとも問われたが。
「そんなモノがあったら父にねだって取り寄せてもらって自分に使っている」
と、言ったらすぐさま納得された。ぽっちゃりで悪かったな、ぽっちゃりで。
「けどそのリサイクルショップ、来年からは大繁盛だろうなぁ」
僕の話を聞いて今興味を持ってるっぽいクラスメイトの半数以上は修学旅行で立ち寄るだろう。それだけ時間に猶予があればリサイクルショップの名前や場所を聞き出せてるクラスメイトは居るであろうし。
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