辛い時に優しくされるとコロッと行ってしまうことはある
梅之内・由香は表と裏の顔を持つキャラである。原作で主人公に優しくしてくれる最初のキャラでもある。
「ただ、なぁ」
この時、実際のところ懐かせて使いっ走りにでもしてやろうとかそんなことを考えていたようなのだ。実際、近くに置いて旨味がないとわかるとサクッと主人公を切り捨てる。
そうして本性を見た後で主人公がダンジョン探索で頭角を現してゆき、大魚を逃したことを悟って悔しがる由香だが、校内で有数の実力者になった主人公を切り捨てたことが周囲に知られて学校ないので居場所も失うこととなるのだ。
「所謂『ざまぁ』展開用の悪役キャラ」
とでも言ったところだろうか。何とか離反させないように原作をプレイしてもほぼ確実にどこかで主人公を裏切るか切り捨てる上、展開によっては渡したアイテムを持ち逃げまでするので、プレイヤーにはかなり嫌われているキャラでもある。
まぁ、そういうキャラであるからか現状外面はかなり良く、親切で優しいクラスメイトとして周囲には認識されている。
「はぁ」
実は前世の記憶が蘇るまでは僕もその擬態に騙されていた口で、若干の好意を持ってたので内心複雑であったりする。
「まぁ」
早めに本性を知れてよかったと思おう。そんなことをぼんやり考えている間にも時間は過ぎ。
「先輩、女性って誰しも表と裏の顔を持ってるものなんですかね?」
放課後、もう恒例となってるアレの時間にそんなことを漏らしてしまったのはきっと僕の失敗だろう。
「……竹痴君、私のことは遊びだったのか?」
「竹之内です。というか、そのセリフはどっちかと言うと僕のセリフですよね?」
よくわからないことを言い出した痴女先輩に僕はそう返す。先に胸やら二の腕やらを揉んできたのはこの人なのだ。
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