現実世界にダンジョンが!
「うわぁ」
前世の記憶が戻ると今まで何も感じなかった当たり前に思うところが出てきたりするものでもある。僕が思わずそんな声を漏らすのは、ここのところ日常茶飯事だが、最初にひきつった表情をしたのは「ダンジョン」と言う単語を耳にし、ニュースを流していたテレビを見た時だったように思う。
「そうだよなぁ、これ『現実にダンジョンが出来ちゃいました』系のファンタジーだったっけ……」
過去にネットで読んだモノと比べると、ダンジョンから怪物が溢れて民間人に被害がなんて展開もなく、平和というかマイルド仕様であるのだけれど。
「まぁ、ダンジョンが出来た理由もあっちから説明してくれてたわけだし」
こう、出現したダンジョンはとある異世界にわたるための回廊的な存在らしい。その異世界がピンチで助けてくれそうな人物を呼ぶためにダンジョンを用意したそうだ。
「つまり、『チートはないので用意したダンジョンで強くなりつつこっちに来てね』ってことらしいんだよなぁ」
このダンジョンには向こう側の監視機能的なモノが備わっていて、探索に足を踏み入れたモノがピンチになると命を落とす前に強制的にこちら側の外に放り出してくれる親切設計でもある。おそらくは強くても問題ある人物が入ってこないようにという意味での監視体制でもあるのだろうが。
探索の見返りはダンジョン内で成長して得られる身体能力とスキルと言われる特殊能力、そしてダンジョン産の科学にケンカを売るようなトンデモ素材やアイテムの数々。もちろん、これだけでは探索だけで満足されてしまうので、異世界に到達してあちらを救ってくれれば相応の報酬を払ってくれるそうで。
「ダンジョンなんてトンデモないモン作れるぐらいだしなぁ」
報酬の方に期待したり正義感からダンジョン制覇を目指す人物も少なからず居て、僕が通う中高一貫校にも「ダンジョン探索科」なるモノが存在したるするのだ。
当然、僕もあの痴女先輩も主人公もこの科に属することになる学生である。
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