非現実の都市
都市の形は 現実の中にある
スポイトから 垂らした水滴が 乾いていくのは 時間
現実から隔離された音に 不連続に 描写されること、肖像として 写し続ける被写体になる 私は 空間
そんな 都市に 密接にある空間と 時間の侵入者である私へと追い詰めたものがいる
“きっといつか” その時は今すぐにとは言わずに迫ってやってくる
“きっといつか” 私も弱らされて唇を曲げてそう言った
いつでも恐れて規定されたものから逃げ出せずに転げ落ちると、非現実でも私は
ベッドから転げ落ちていた
間抜けな断末魔、
だっ。
落ちることに 意識を向けられて 重力を体感して言葉、というよりやはり
間抜けな断末魔
現実の都市にて追いかけられる夢を見た なぜ都市なのか 現実なのか 形も名前もただ夢なのだからとしまい込もうとする中
奴が“都市の形は現実の中にある”と語っていたことを思い出すと脂汗でじっとりと滲ませながらこの部屋から出られず動けない
もう終わるのだから関係のないことじゃないか。 なぜ終わるのか なぜ関係ないのか もう思い出せないけどそれでよかった あとは時が過ぎていくだけ あとはいなくなるだけ そうすれば忘れられていく 神経質で無形な人間を思い出されることはなく、ただ崩されていって溶けていって…
「その時の私には確かに見えたのは閃光のような酸いっぱいの瓶にて空気とひりつく肌の痛みから声を焼いて溶けていく姿である手を上へ上へと持ち上げていき、酸の熱と流体は下へ下へと潜る、諦めることは容易い」
忘れるには厳しい越えた先の水平線で 都市は幻影だと知る
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