歩く中
ラムネ瓶を忘れて
カセットテープを通して
霧の中、巡る「
「アルバニア…」
あなたの王国だといった
ありふれたヴァンゼー湖が精神の始発点
瓶の底を覗けば思い出してしまう痛みのために
あの時確かにラムネ瓶は割れた気がしたのに
詩を諳んじるといつも手元にラムネ瓶がある
人が言いふらすことを期待したのに 目覚めたのは
楽園は僕の記憶に反響をつづけ、渇きに喉を締め付ける離さない繰り返し
「
よこぎって われものを手に 宇治の橋 まだ覗かないのは今までの仕返しだ
ラムネ瓶を持っていた 忘れ物をまだ見つけられなくて
「何もない」と言うのは誰かの現代ではないから
鳳凰堂の輝いた湖の鏡面に遠くアルバニアがあった
そう言いのけるのが母のしたかったことだから
まだ遠く、霧の中を歩く 消えることのない汽車の音でも
ラムネ瓶から覗いた 「何かある」
いることすら近しいアルバニアへたどり着く旅路が終わった
ずっと探していたビー玉を鳳凰堂と共に私は見つけた
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