苦瓜(チェルノブイリ)

注釈、これは最初のころの詩であり至らない表現があったり、今には考えつかないようなスペルミスや描写の拙さがあるが文学性を考えてそのまま掲載する



母なるロシアよ!

神の国ロシアを僕は愛する。だからこそ、僕は神を殺さねばならない。

私は民衆をツァーリーから解放しよう!


━━━━さん、あなたは狂ってます。


いや、狂ってはないさ。

そう、神殺しによって新たな神が誕生したではないか!

肉体が不完全であった神帝ニコライ2世は悪しき細菌、共産主義者によって(おお!仲良しヴィリーも不完全であった!)

葬られた。

だが、その悪しき細菌から新たな神は生まれた。その神はより完全な形をして、完全な信仰を持ってして強権を得た。

神の国のソヴィエトを見よ!

ロシアの大地に神がいなかった日はない。

神権は常にロシアの政体であったろう。


何が言いたいのですか、━━━━さん。


さあて、そして今のツァーリを殺すためにそして僕らを終わらせるために。

僕らは23の物語に2つの物語を増やしたのさ。

ツァーリよ!君を殺すためにぼくは歌おう!


どういうことでしょう?どういうことでしょう?あなたはやはり監禁すべき狂人です。


私の頭は狂っていない。

一つ、僕らはテロリズムの不完全性を認めよう。

束縛された民衆にとってテロリズムとは好意ではなく、解放への反動となってしまう。

だから僕らは踊ることにした、ツァーリを惑わすことこそ子殺し、国殺し、果てにはツァーリ自身を殺すことに繋がることは誰もが知っていた。

だからそれをするのは難しい、とても難しい。

叫ぼう、ペストを悪魔の世界の存在を歌い、我々が閉じこもっては母なるロシアの話をするのだ。

ツァーリは聞くだろう、悪魔の世界の話を。

ツァーリは聞くだろう、ペストが悪魔によってもたらされたと。

ツァーリは行うだろう。ラッパを鳴らし、最終戦争を!

ツァーリは形而上学的なモスクワを覆う黒ざめた馬を戦うのだ!

ツァーリはテロリズムのような英雄を得る。

僕らは英雄が褒め称えられることはないことを知っている。

英雄は無惨に、縛られ裸にされ誤って造られた肉体と共に死ぬのだ。


━━━━さん、あなたは、残酷とは何かについてご存じでしょうか。


そう言われてもわからんね。

二つ、僕らはアレクセイの不死性を、アレクセイの生存を約束しよう。

アレクセイの生存はかの菌によって証明される。

我々はラジオにて流そう。アレクセイは生きていると、アレクセイは生きていると。

神々の捌きと決別せよ。

我々のアレクセイは生きていると。

知る神の復活に人々は儀式するだろう。撒かれたガスやウラニウムの庭にて帰還を待ち望んでいた人々は踊り出すのだ。




そうしていま、ソヴィエトという神の国の代わりに民主主義という神権の代弁者が長となった。

だが、ロシアの神権は揺らいでいる。

人々は神を信じなくなっている。神は死んだのだ!

今の神は糞尿を垂らし、王座にて痴呆を発症し、空に鷲を見ている。


アルトーさん、あなたはなにが言いたいのですか。


私はもう一度ロシアの神を殺し、新たな神を昇らせる。

その神は民主主義でもソヴィエトでも、ロマノフでもない。

死んだ神を信じるものはいない。

アルトー朝がロシアの糞便と共に生まれるのである。

無神教の長、監禁から帰ってきた身体なき器官が。

微菌

帰還したアントナンアルトーが。

捧げよう、ロシアの新たなる誕生を祝って。


追伸


あなたはもう私を忘れることができない。


題名:帰ってきたアントナンアルトー

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静寂に捧げた音の転回(詩集) 小高区雑記 @1916_WonderfulLife

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