縋る男
終末の夢を縋る男は見た
『助けてくれ!
助けてくれ!もう終わりかもしれない
夢が続けば枯れ果ててしまいそうで
夢から出られない!』
夢から醒めないよう、終末は今から封をするとまた喚き始める
『醒めないんだ!
醒めないんだ!もう続けるしかないんだ
ずうっとずうっと発展するしかないんだ
飛び飛びの夢をつなぎ合わせる仕事人はもう滅んだんだ!
僕もそこにいない、でも
僕はもう逃げたい!
夢から出して!今から始めさせて!』
平衡感覚は既に夢に属してる
停滞は忌避される
持て囃して加速する
加速して空は分裂する加速して大地は割れる加速して.....
進歩たりえない停滞
僕はもう夢の中
そこにモノにあるものが戦争であると知るに至るに...
縋る男がただ一人、上官に泣きついている
『戦場から逃げ出させて!こんな悪いことはやめましょう!
こんな悪いことで体を壊すのはやめましょう!
こんなことで親を泣かせるのはやめましょう!
戦争がいかに僕らをまやかしをみせるのか!
知ってるはずだ、大尉が死ぬたび思うのです、
両手を心から全力で挙げて歓べるのですよ
両足を心から全力で飛ばせて歓べるのです
それなのに戦争を続けて、三年目でやっとわかったふりをして
どうして、どうして、ああ!
ああ、あ...そうか、告発してやりましょう
平和がいかに僕らにまやかしを見せたか
平和がいかに僕らを幻惑させたか
でも、大尉おかしいですよ。どうして平和なんてしたんですか
そんなのが連続するだけの人生でどうして平気でいられるんですか
僕は退屈で死にそうだ
僕は退屈で死にそうだ
夢を見果てる終末が待ち望んだ終末が、この吊るされた人の像ならば
僕は何度死ねばやっとここから醒めるのか
何度死ねば平和という虚像がいま終わるのか』
縋る男は草木をむしり始める
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