反-世界-反世界

「介在する」


暗黒の時代にて

言葉にないあたしだけの空間で

天使は再来する

不在する太陽の代わりにと

その言葉を伝えるために

あたしと太陽の間を縫って

天使は降り立った

「そこにまだ世界はない」

そう伝え天使を追いかけさせるために

あたしを復讐者へと変貌させた



「対偶する

希望がなく絶望がある」


暗黒の時代にて

言葉がある

あたしとあなたがいる

その間に天使は現れた

天使とはあなたのことではないですかと

そう聞くと、不在たる太陽の

金盞花の透き通った声で

あなたは伝えるのだ

ここにはなにかあると

求めさせるべくそうあるのだ

あなたの言葉を待ち遠しく思った



「寓話の復讐者よ

遠くに希望を求めるあなたたちの絶望を

救われるために私の声を聴け」


暗黒の時代にて

世界ではない、反世界では

あなたがいない代わりに

透明色の太陽が不在の代わりに

不動として存在しながら

ギラつかせるその言葉だが

天使がここでは

言葉であって永遠であるが

不在であるし、形として永遠ではない。


不在の天使では三人の復讐者たちには

声が届かず、懺悔もしようとしない

救われようとも声を上げようともしない

もう、暗黒の時代には何もないと思うのだ。



ほら、あなたとあたしはもうここでは聞こえない

名前が与えられてからずっと、歴史になる運命だった

それがいやだとあなたがいったから、名前で呼ばずに

触る様にあなたといったのに

でも、やっぱりここでは僕らはいない。

反世界に、僕らは言葉すら残せず去るしかない。


暗黒の時代にて

世界ではあなたとあたしもいなくて

天使がそこに形を持っている

悔しくないだろうか

ずっと形の持てない彼らは何者にでもなれるから、

羽のない人生を送る心配はない

太陽へと旅行へ行ける彼らは

いつでも鳥たちや魚たちと会うことができる

大地が死ねば死ぬぼくらとは違う彼らの無限性を

想像するしかない僕らに天使は間を縫って現れる

それがとてつもなく悔しい


あなたに話しかけると

天使がいる


透明色の太陽に話しかけると

僕は目を燃やされ、天使の不在を見ることとなった。


反世界の天使は絶望へ向かう僕らに言葉を投げかける



「不在になろう

あなたとあたしのいない

この世界からもう逃げ出そう

言葉もない地平線へと行こう

そうしたら

反ることも

世界も

反世界も

関係ない

もう、何も言わなくても

もう、何も見えなくても

もう、何も聞かなくても

もう、いいんだよ」


もうよくないから、

もうよくないから、

そうした未来へ行けないから

天使が再来する中世へとあたしはいく

そうすれば天使になれる

不幸な死が待つ預言者でも

幸福で終わる預言者でもなく

それが無限性へと羽ばたけるあたしへとなる


明星で終わる暗黒の時代に

あたしだけの中世の黄昏がやってくる

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