黒手組

黒いまよい人の手が僕の手に重なって

影なき肖像は出づるものに当てられ揺らめいた

揺らめくあそびごころは枝垂れサクラの絵画のようで

モノクロのポートレートのようにはっきりとはせず

きみとやくそくした日にあえて遅れていくかのようだ


落とされた手が声をひびき知らしめる

僕のあそびごころのあくどさを弾劾して

それで落としたのは夢のだきかた

クジラの雲に浮かび眠るよりも

かげきなぼくの夢は奪われた


瞼の裏切りで枝分かれする僕の悲鳴は

ポートレートの裏側に記載された電話をかけても

あの日のいとでんわが繋がらない

手でつないだつながりだけが夢心地となって

とるに足らない夢に僕はかおをうずめてとじる


枕の暗さを見つめるとその目で誓った

夢の黒いまよい人の手に惹かれて

はっきりと黒く肖像が老いてゆく

続けこの夢のれんぞくよ

手が僕を振り落としたら泣けなかった

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