第13話
そして、今年もまたクリスマスイブがやって来た。
クリスマスイブが来るたびに、アタシの気持ちはブルーになるのはなぜだろう。
家族みんなでクリスマスイブを過ごした思い出はなかった…
クリスマスイブのプレゼントを贈られたことがなかった…
父の酒ぐせが悪い…
父は、お酒や金銭の使い方が荒かった…
父の
だからアタシは、父が大きらい。
夜9時前であった。
アタシは、ひとりぼっちでJR
駅前広場に立っている巨大クリスマスツリーをみつめながら、アタシは何を思っていたのか…
クリスマスから大みそかにかけての間も、父と義母は家に帰らなかった。
そして、年は明けて2011年になった。
お正月3が日も、父と義母は帰らなかった。
アタシは、部屋の中で一日中テレビを見て過ごした。
身体が日増しにダルくなった。
もうしんどい…
アタシ…
生きていくのがしんどくなった…
三学期に入った。
中学3年生の生徒たちは、3月の入試に向けて追い込み段階に入った。
アタシは、高校に進学することを完全にあきらめた。
卒業証書を受け取ったら、すぐに病院に入院しよう…
このままでは、本当にパンクしてしまう…
2月中旬より
中学3年生の生徒たちは受験をする高校に願書を提出した。
2月下旬に、生徒たちが受験する高校が決まった。
アタシは、3月10日に最後のプリントを提出する日を持って学校へ行くことをやめることにした。
そして3月10日の昼前であった。
最後のプリント提出を終えたアタシは、悲しい表情を浮かべながら学校から去った。
この日も、父と義母は帰って来なかった。
時は、夜8時頃であった。
アタシは、大型のピンク色のサックスバーのスーツケースに着替え類や生活に必要な品物を詰めていた。
明日の朝、アタシはこの家から出ることにした。
ものすごく悲しい表情で荷造りをしているアタシは、なにを思っていたのか?
3月11日の朝7時頃であった。
アタシは、着替えと当面の生活に必要な道具が入っているサックスバーの大型スーツケースとさいふとスマホと貴重品が入っている赤茶色のバッグを持って家出した。
家出したアタシは、JR気仙沼駅へ向かって歩いた。
もうイヤ…
アタシ…
どうなってもいい…
もうイヤ!!
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