第12話

 人魚さんは、魚の尾を二本の脚に変えて、私たちと一緒に旅してくれる事になりました。


 月と仲良しの泉は、いにしえの園にあるそうです。


 古の園には、黄金の毛皮を持つ牡鹿がいます。

 黄金の毛皮を持つ牡鹿だけが、その泉を案内することができます。


 黄金の牡鹿は、鉄の蹄と鋼の角を持ち、口から炎を吹き、気性が荒いらしいです。

 

 怖いですが……。

 でも、大丈夫。


 私のアイドル衣装のポケットの中には、鹿せんべい。

 黄金の牡鹿さん。

 鹿せんべいは、お嫌いかしら?


 もちろん、見かけがどんなに怖くても、彼が鹿には変わりなく、

 やはり、鹿ならせんべいが大好きでした。


 私に、もっとと、おねだりします。


♪鹿さん、せんべい差し上げましょう

 自分の姿を探す旅

 自分を見つける、そのために

 百年月と仲の良い

 奇跡を起こす湖を

 私は探して旅の中

 鹿さん、あなたが湖を

 知っていると聞きました


 良ければ私にその場所を

 教えてほしい、その場所を


 せんべい良ければ一包

 差し上げますのでお願いします♪


 ♪わかりました湖へ

  奇跡を起こすあの場所へ

  あなたをお連れいたしましょう

  僕に、あなたの鹿せんべい

  いただけるのなら、行きましょう♪


♪私の姿は、透明で

 歌と踊りで、現れる

 鹿さんあなたの金ピカの

 キラキラお姿、消えません

 歌を歌うその必要

 鹿さん、必要ありません♪


 黄金の牡鹿は、恥ずかしそうに、顔を赤らめたので、その姿が、ますます美しくなりました。



 先頭に牡鹿さんに乗る私。

 肩には、ドラゴンさんのマイナちゃんのカラスさん。

 ケルベロスのケロちゃんのトイプードルをお供に、

 勇者さん御一行と歩きます。


 おひとりだけ、空を飛ぶのは、人魚さん。

 貝がらで隠すその胸が、ご立派です。


 ツインボーカルアイドルのセクシー担当、人魚さん。


 この山越えると、湖に。

 奇跡を起こす湖に、ようやく到着するときに、


 その人たちは、現れました。

 

 


 




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