第9話
勇者さまのパーティーが、イノシシ型モンスターを倒した山は、険しくありません。
山の名前は、裏金山。
噂では、山の主のモンスターは、まだ生き残っているということです。
どんなお方?
訊く迄もなく、そのお姿現れました。
そのお姿は、巨大牛。
いや、アフリカ象より、ひとまわり大きな水牛のお姿。
さぞかしミルクは、タップリ…。
いえ、いえ、どうやら殿方のご様子。
私は、青くな…れませんでした。
只今、透明タイムです。
勇者さまは、剣を引き抜き、絶望的な戦いに挑んでいきます。
その素速い動きにけん制された牛さん。
魔法使いのカ・フンショウさまが、何やら呪文を唱えている事にお気づき出来ません。
勇者さまに気を取られ、地響きと土煙をあげながら、猛スピードで突っ込んで来られる牛さんの動き鈍りました。
「今よ!」
カ・フンショウさまの合図と共に、コモリ姉さまの弓から光の矢が雨となって牛さんに降り注ぎます。
ぐったりして、へたり込む牛さんに、いつの間にか空中高くから牛さんの首めがけて突っ込む槍のコウサ様。
どうやら、これがこのチームの必殺パターン。
でも、牛さん。
伊達にこの地の主だったわけでは、なかったようです。
突然、勢い良く立ち上がる牛さん。
その全身から太くて長い、黒いトゲが無数に突き出しました。
このままでは、コウサ様が逆に串刺し。
私は咄嗟に、見えない手をコウサさまに伸ばします。
コウサさまのお姿が、消えました。
しかし、牛さんのトゲが、全方位射撃。
私が、皆さんを助けたいと思うと、全ての勇者御一行さまと、ケロちゃんとマイナちゃんまで消えました。
私たちの目の前には、現在の平和な日本の風景。
街から流れるのは、私たちの歌。
オロ?
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