第7話

♪魔法の泉は、何処でしょう?

私の姿を取り戻す

指輪を作ったその力

もっと私に、くださいな♪


  ♪それでは、これからご一緒に

   僕たち勇者のパーティーと

   泉を探すその旅に

   出かけましょうか?

   明日からは♪


♪立派な勇者のジ・ン・マシン

あなたの凛々しいお姿は

皆さん眩しくご覧です

他人の羨むその美声

わかりましたが、音楽に

乗せる必要ないのでは?


 勇者ジ・ン・マシンの顔は、再び真っ赤っかになった。


 こうして、私と、勇者様御一行、ケロちゃん、マイナちゃんの旅は、始まったのです。


 大き過ぎるケロちゃんは、トイプードルに、変身。私の隣をテクテクと。

 マイナちゃんは、カラスに変身して、私の肩に乗っています。

 おふた方のおかげで、普段の私、

 存在すると、確認していただけます。


 私たちの旅は、まず村を襲いに来ていたイノシシさんのモンスターを倒した場所を目指しました。


 テクテク歩く異世界の景色は、日本の原風景。

 田んぼのお水が眩しくて。

 段々畑に緑濃く。

 牛さん気ままに草を食み。

 時折馬車がすれ違う。

 土煙の中歩く、勇者のパーティーと私のぼんやりしている影。

 夕暮れ時には、民家の屋根に夕げの煙。


♪あれ?

 この世界には、確か電気が

 皆さまオール電化ではないのかしら?


 この世界には、勇者さまの様に異世界転生組とこの世界出身組がいます。

 冷静沈着、カ・フンショー様が教えてくれました。

 望んで転生しておきながら、昔ながらのこの生活の不便さに慣れる事が出来ない者が続出。

 ある時、異世界から家電を呼び出す魔法道具が、百年月の夜。

 泉から産まれた。


 その道具を手に入れた者が、現在この世界で、最も豊かな暮らしをしているソロ・カンジョー財閥。

 この世界に、持ち込める家電は、テレビ、冷蔵庫、洗濯機の三種。


 パソコンやスマホとかいう物は、持ち込めません。


 アラ?

 私のポケットにあるこれは、何でしょう?


 スマホでしょう。

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