第6話

 私の身体は特撮の変身ヒーロー、いえ、ヒロイン?

 元の姿を取り戻す、

 時間は、僅か3分間。

 3分過ぎれば、私の姿。

 哀れな元の影法師。


 怪しい、怪しい、この村の、

 お名前、その名もミバライで。

 怪しい、怪しい、この村の、

 村長、お名前ジカン・ガイ。


 名前だけが怪しくて、

 とっても優しい村長さん。

 とっても優しい村人さん。

 とっても野菜が美味しいの。


 村長、杖つき腰曲げて、白いおヒゲのその顔、ツヤツヤお肌のシワもなし。

 村長イメージ大切に。

 村長イメージおじいさん。

 実は、まだまだ若い彼。

 彼は、村長コスチューム。

 コスプレ大好き村人は、

 気づけば何処かでみたような、

 アイドルグループコスチューム。


 あれ、あれ、それは私たち。

 KACのコスプレです。

 どうして、皆さんご存知ですか?


 村人、可愛い女の子。

 そっと教えてくれました。

 家電を愛するこの村の

 テレビに映る私たち。

 村の人気のナンバーワン。

 次元を越える人気です。

 私の胸は、熱くなり、

 感謝、感謝の気持ちです。

 是非ともお礼を言わなくちゃ。


「皆さんどうも……」


 プツン!

 規定?の3分過ぎました。

 指輪の力が戻るまで、

 少しの間、待っていて。


 待ってる間に気づきます。

 村人コスプレKAC。

 私のポジション抜けてます。

 センターエースのあの娘の後ろ。

 私の姿が抜けてます。


 異世界越えるその電波、私の姿は、こぼれます。

 アイドルメンバー乗る電波。

 私だけが乗り切れず。

 テレビの電波のその向こう、私の姿はこぼれます。

 

 勇者のパーティーメンバーの、

 魔法を使うカ・フンショウ。

 とってもキレイなお姉様。

 魔法の指輪を見たいのと、私に声をかけました。

 私の指から指輪を抜くと、彼女の手の上乗せました。

 指輪の力を失った、もちろん私は影法師。


「これは、伝説の泉の指輪。百年月の光を泉に集めて作られた魔法道具のひとつ」


♪それは、たいへん百年も

 長い時を積み上げた

 光の力の魔法のリング

 とっても貴重な魔法のリング♪


「そうではありません。この世界の月は、時折強く輝きます。まるで百年分の光をいっきに放出するように…。その時の月を私たちは、百年月と呼びます。この世界の何処かにあると伝えられる魔法の泉。百年月の光を集め、魔法アイテムを生み出す時かあると聞きます」


 これは、これは、どうした事?

 私の歌に皆さんつられ、お話する時、歌になる。

 でも、でも、彼女は違います。

 カ・フンショウさん冷静です。

 とても美人で頭良い、大人の魅力の魔法使い。


 眩しい大人の魅力…。


 

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