第2話

♪私は、アイドル

 女の子

 私の姿は、行方不明

 誰にも見えない女の子

 

 私の存在消えた街

 離れて、ファンを探す旅

 私のファンは、旅行中

 きっと、異世界旅行中

 私は、ファンを探すため

 訪ねて来ました異世界に


 せっかく異世界、来てみても

 私の姿は、行方不明

 人も亜人も、知らぬふり

 私を見つけてくれないの♪


 トボトボ夜道をひとり旅

 異世界なのに月が出て

 悲しい私は、口ずさむ。

 月に、涙で口ずさむ

 その時、ドラゴン現われて


 「こんばんは」


 とご挨拶

 ドラゴンさんには、この私、

 姿が見えるらしいです。

 口ずさんでる歌をやめ、

 私は、挨拶返します。


「こんばんは」


 突然、ドラゴン、キョロキョロと、

 私が、消えたと慌てだす。

 再び歌を、口ずさむ。

 ドラゴン、私に気づきます。

 大きなお目々をパチクリと…。


 ドラゴンさんが、言いました。

 私が、歌を歌う時、私の姿が現れて、

 私が、歌をやめる時、私の姿は消えていく。

 

 私のアイドル活動は、皆さん認めてくれました。

 歌う時だけ、見えている。

 私の姿が、見えている。

 歌わない時、消えてます。

 消えてる時間、長過ぎませんか?


 ドラゴンさんにお訊きする。

 曲に合わせて、歌います。

 消えない私が、歌います。


♪私のファンの方々の

 姿を何処かで、見ませんでした?


 ドラゴンさんが答えます。

 一生懸命、歌います。

 ドラゴンさんのお姿は、

 消えませんので、普通にどうぞ。


 恥ずかしそうなドラゴンさん。

 消え入る声で、答えます。


「ここから東、あなたの足で、二日程の小さな町。賑やか笑顔で溢れてる、普段と違う様子です」


 いつもは、静かなその町に、

 見慣れぬ観光団体さん。

 私のファンの集いかな?

 私不在のファン活動。

 困った暴走止めるため、私は静かなその町へ、

 夜道をひとり歩きます。


 

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