困った、アイドルKAC

@ramia294

第1話

♪私は、アイドル

 女の子


 人気のグループKAC

 皆さんお馴染み、アイドルです

 歌を歌う私たち

 私のダンスをみてください


 私は、アイドル

 女の子


 人気グループ、センターで

 歌う彼女のすぐ後ろ

 踊る私を知ってます?

 彼女の影ではないのです

 私もアイドルグループの、立派なメンバー、そのひとり

 私の名前は阿野あのマリー


 握手会の会場の

 みんなの列は、長い列

 私の列は、人影が

 何処にも見えず、良い景色

 私の握手の温もりを 

 求める殿方、今何処いまいずこ

 すぐに、私は片付けて

 スタッフさんと、ご一緒に

 みんなのために働きます


 女性アイドルお約束

 禁酒、禁煙、禁恋で

 お年頃の私たち

 恋の喜び、知りません

 もちろん、真っ赤なウソひとつ

 周囲の男性アイドルは

 皆さんイケメン、良いオトコ


 恋に落ちない女の子

 いるわけないのよ、芸能界


 トップアイドルあの人の

 熱い視線を感じるの

 踊るステージ、私の瞳

 キラキラ光る星ひとつ

 私の胸は、高鳴ります


 楽屋に引けるその途中

 あの人、私に近づいて

 素敵な笑顔が、光ります


 笑顔は、私を通り過ぎ

 センター、あの娘に声かけます

 

 もしもし、あなたの視界には

 私はどこにもいないのかしら?

 もしや、私は、透明人間?

 誰にも知られぬアイドルですか?


 私を応援してくれる

 ファンは、どこにいるのかな?

 みんな楽しく異世界に

 出かけて

 私は、お留守番?


 アイドルなのに、存在を

 気づいてもらえぬこの私

 いつの間にやらグループの

 仲間も私に気づきません


 休日、街中まちなか、歩いてみれば

 誰も気づかぬ私の姿

 いったいどうしてしまったかしら?


 両親すらも、この私

 姿が見えぬご様子です

 記憶の中にも存在が

 私の事だけ、抜け落ちて


 競争激しい芸能界

 私のグループセンターの

 可愛いあの子は、ひとり勝ち


 芸能界のお約束

 可愛いあの子は、ひとの足

 引っ張る、引き込む、沼の中

 落ちぶれ沼に、引き込まれ

 消えたアイドル数知れず

 まるで、妖怪河童です

 沼にはまったあの娘たち

 今頃、どうしているかしら?


 それでもあの娘のファンの数

 とても多くて人気者

 彼女のファンも妖怪かしら?

 それともその目は節穴で

 彼女のホントが見えないの?

 


 私は、どんな姿でしょう?

 わかりませんが、アイドルを

 私は、頑張り踊ります

 私のファンは、いないけど

 いつか夢見る人気者


 私は、今日から一人旅 

 ファンを探して一人旅

 どこかで、私を待っている

 ファンの方々、探す旅


 歌と踊りを磨く事 

 忘れず、日々を送ります



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る