っす口調の後輩女子といいわけされるだけのラブコメっす

山外大河

っす口調の後輩にいいわけされるだけの話

 最近紆余曲折あってバイト先が同じの一学年下の後輩女子と出掛ける事が多い


「先輩これはどういう事っすか」


「どういう事って言われても……一体何に不機嫌になってんだお前は」


 自己申告では身長150センチだがどう見ても145センチ程しかない後輩との待ち合わせ場所に来てみると、何やら不機嫌そうな様子でそう言ってきた。


「先輩今何時っすか?」


「えっと、9時50分」


「待ち合わせ時間何時でしたっけ?」


「10時だけど」


「そう、10時っす。さあ私を待たせておきながら悪びれも無く表れて一体どんな言い訳を……って10時?」


「おう、10時」


「9時じゃなくて?」


「いや10時って言ったのお前じゃん。ほらこれお前のライン」


 言いながらスマホを開き後輩にメッセージのやり取りを見せる。


『で、結局明日9時で良いのか?』


『いや冷静に考えたらそれじゃちょっと早いっすね。10時集合にするっすよ』


『おう了解』


「な、10時じゃん」


「……先輩」


「お、なんだ? 人に理不尽不機嫌オーラぶつけて来たいいわけなら聞くぞ?」


「……先輩のスマホハッキングされてないっすか?」


「せめていいわけはしろよ」


「えっと、先輩」


「テイクツーだな。どうぞ」


「すみませんでした」


「素直でよろしい」


「素直に謝れない人にはなりたくないっすからね」


「つい数秒前に一度なったばかりだと思うんだけど」


「え、テイクツーって事で一旦無かった事になってるんじゃないんすか?」


「いやいやなる訳ねえだろ。都合良い奴だな……無くならないです。お前は茶化してすぐに謝れないタイプの奴です」


「……ち、ちなみに聞くっすけど……何したら許してくれます? ある程度の事ならやるっすよ私」


「なんでもって言わない辺り防御力地味に高いなお前……」


「何で持って言ってたら何頼む気だったんすか……」


「頼まん頼まん。そもそも許す許さねえって話じゃねえだろ。ここまでのやり取りで不快になるんならとっくに縁切れてね?」


 そもそも一連の会話に不快になる要素とか無くね?

 最初から今に至るまでいつも通りの仲の良い後輩とのやり取りだ。

 此処から先も変わらない。


「んな事より行こうぜ。行きたい所あんだろ? この前は俺の行きたい所に付き合って貰ったから今日はとことん付き合うぜ」


「は、はいっす! えっと昨日画像画像送った所なんすけど──」


 とりあえずこの日もいつもの空気感で、いつも通り休日を楽しんだ。



PS 後輩が待ち合わせ場所に到着したのは9時15分らしいです。

  9時集合なら遅刻じゃねえかッ!

   まあ全然待つけども。


 ───


 作者です。

 数日おきにカクヨム公式から出るお題通りに新作小説書いてく奴(今回はいいわけ)

 可能な限りこの二人で新作の短編形式で出してく予定で此処まで進めてきて、今回で完走です。

 通しで呼んでくれた方が居たらありがとうございました!


 それで多分近日中に連載版を始めるかもしれません。

 連載版はお題とかが無いので、書きやすく読みやすい感じになるんじゃないかなって考えてます。


 開始時期は一応未定なので、気になる方は作者フォローの方をしておいてくれたら始まった時に分かりやすいと思います。


 とにかく約半月ありがとうございました!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

っす口調の後輩女子といいわけされるだけのラブコメっす 山外大河 @yamasototaiga

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ