路地裏で絡んできたチンピラをボコったらいいわけをし始めたが、関係なく返り討ちにした話
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
第1話
「はぁ? もう一度言ってみろ、このクソガキがぁ!!」
「だから、うるさいって言ってるだろ。僕はお前みたいに頭が悪い奴と話したくないんだよ」
「てめぇ……、ぶっ殺す!」
僕の言葉を聞いた男は怒りを露わにして剣を抜いた。
そして、そのまま僕に斬りかかってくる。
「死ねぇぇぇえええ!!」
しかし、僕はそれを避けようともせず、男を見つめたまま佇んでいた。
そして、男の剣が僕の身体に触れる寸前で止まった。
いや、正確に言えば、男が剣を動かせなくなったのだ。
「な、なんだこれ!?」
僕が技を発動すると、男の身体が硬直した。
まるで、金縛りにあったかのように身動きが取れなくなっている。
「おい、どうした?」
仲間の一人が男に声を掛ける。
「わ、わかんねぇよ! 身体が動かねぇんだ!」
「なにぃ!? どうなってやがる……」
すると、仲間の男が僕の方に視線を向けてきた。
その目はとても冷たいものだった。
「お前がやったのか?」
「そうだよ」
僕が答えると、他の仲間たちも一斉に武器を構えた。
どうやら、敵と認識してくれたようだ。
「くそっ、こんなガキにやられるなんて冗談じゃねぇぞ」
「そうだ、こいつを殺して逃げればいいだけだ」
「あぁ、そうだな」
男たちが話している隙に、僕は魔法を解除した。
その瞬間、男の身体が自由を取り戻す。
「うおぉぉおお!!」
再び雄叫びを上げた男たちは、一斉に襲い掛かってきた。
しかし、僕にはその動きが全て見えていた。
攻撃を避けながら、男たちの急所に次々と拳を叩き込んでいく。
「ぐはっ……!」
「ごふっ……!」
「かはっ……!」
一人、また一人と倒れていく男たち。
あっという間に、立っている者は僕だけになった。
「ずいぶんと弱いね。それでよく僕を殺せると思ったね」
倒れている男たちに向かってそう告げる。
すると、リーダー格の男が口を開いた。
「くそっ、こんなはずじゃ……。昨日酒を飲みすぎたせいだ……」
昨日の酒が残っているせいで、本来の力が出せなかった。
彼はそう言いたいのだろう。
「それはいいわけでしょ? 自分の実力不足を状況のせいにしない方がいいよ」
「くっ……! こ、このガキがぁぁぁあ!!」
男は叫ぶと同時に、懐からナイフを取り出した。
そして、それを僕に向けて投げてくる。
だが、そんな攻撃を喰らうほど僕も馬鹿ではない。
飛んできたナイフを躱すと、そのまま男の方へと近づいていく。
そして、男の顔面に拳をめり込ませた。
「ぶふぉぁっ!?」
勢いよく吹き飛ぶ男。
壁に激突した衝撃で、意識を失ったようだ。
こうして、億は絡んできたチンピラ全員を返り討ちにしたのだった。
路地裏で絡んできたチンピラをボコったらいいわけをし始めたが、関係なく返り討ちにした話 猪木洋平@【コミカライズ連載中】 @inoki-yohei
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