第4話 少年、同期と出会う

「はっ早くしないとってあれ」

そうだった。もう父の面倒を見る必要はないんだった。


社員寮に住まわせてもらって1週間。僕はネットの知識を習わせてもらって、VTuberになる準備をしている。竹内さんや斎藤さん、社員の皆さんにもよくしてもらっていて、今までの人生と比べて幸せだ。だけど、まだ体はあの父のことを覚えている。もう、あんな場所には戻りたくないな。でも、やっぱいつかこの日々は終わっちゃうのかな?


「ま、今は少しでも役に立てるよう頑張ろうっと」


***


今日の準備を終えた僕はいつもネットの勉強をしてる部屋へ向かっていたのだが、途中で出会った竹内さんに呼ばれたので一緒に別の場所へ行くことになった。


「結局、何の用事なんですか竹内さん?」

「まぁもう少しの辛抱だよ。ついたら説明してあげるからさぁ」


まだ会って一週間だけど、この人にはいつも振り回される。この服だったり、寝るとき、今日だってこんな感じだ。でも、誰かが僕のことを好意的に見てくれている。そんな状況がうれしくて仕方がないんだ。まぁもう少し、ガードを固くしてほしいけどね。


「ほら、ついたよ瑠衣くん。」


そう言った竹内さんはドアを開けて、中に入っていった。僕もすぐに後をついていったんだけど。


「おお社長その子が最後の一人?」

「そうだよ、ひまちゃん。そしてしのちゃん」


そう竹内さんが答えると、僕にすぐに近づいてきて……


「やっほー私は河合陽葵かわいひまり。君の同期だよ、おねえちゃんだと思って接してほしいな」

「えと、僕は夢月瑠衣です。河合さんよろしくお願いします」


「んーぁ、やほー私は竹多詩乃。同じく同期仲良くしてねー」

「あ、はい竹多さん」


結構個性的な人たちなのかな?河合さんは急にお姉ちゃんとか言ってきてるし、竹多さんはすごく眠そうな感じがするし……


「んーなんか苗字じゃなくて名前で呼んでくれたほうがお姉ちゃんも嬉しいかなー竹多さんも社長もそう思うでしょ」

「まぁいいと思うよー」

「瑠衣くんからの名前呼び……うん、あり!」


めっちゃ距離詰めてくるこの人たち、でも女性のこと名前呼びって恥ずかしくない?恥ずかしくない、って知るかー思春期やぞ僕。誰に聞いてるんだ僕……。


「えーと……はい、陽葵さん、詩乃さん、朱音さん」


断れよ僕ーなんでいつも僕が恥ずかしい方向に進むんだ。ここに来てからこういうこと多くないか?


「まぁそれはいいとして、本題に入ろっかみんな。というわけで少し話にも出てたけど、この3人がVラインの3期生だよーぱちぱちぱち。君たちの体も完成したから、あとでデータ送っとくね」


「体はまだ見させてくれないの?」

「そこは、初配信で同期を知ってほしいなって思って、だから初配信は自由にしていいよープロフィールとかは作ってあるから、もちろん最低限のルールは守ってもらうけど」


「なるほど、ちなみにデビュー日は決まってるんですか?」

「いい質問だね瑠衣くん。デビュー日は一週間後でリレー形式でしてもらうよー順番はひまちゃん、しのちゃん、瑠衣くんの順でお願いねー」


ん?最後なの、プレッシャーとか知らないの?


「りょーかい社長。がんばろ詩乃と瑠衣ー」

「おっけー……がんばろー」

「あ、はい頑張りましょう」


そして、初めての顔合わせは終わったんだけど、やっぱおかしいよね。配信経験者の2人が先って、でも断れないよ……。うん、がんばろ。まぁ今までと比べたら楽しいのは確かだしね。


リスナーの皆さんが受け入れてくれるのを祈って僕は僕を伝えるために頑張るだけだ。そうだ、僕の体ってどうなったんだろうな、楽しみだな。


___


作者のコメント


少し書くのに手間取ってたら、★10突破ありがとうございます。コメントを残してくれた方もいてうれしい限りです。学生のため、更新は不定期になってしまいますが、これからもよろしくお願いします。


急いで書いたから出来が心配なんですけど(´・ω・)



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る