第3話 少年、事務所へ行く
「ん~ぁおはようございますぅ竹内さん」
「うんおはよう瑠衣くん、顔洗ってきてね。そしたら朝ごはん食べてから事務所に行くよー」
少し寝不足だけど、昨日の自分は何とか寝れたらしい。それでも、こうやってゆっくり寝れたのはいつぶりだろ?
***
「そういえば、瑠衣くんの服どうしよっか?」
「あ~別に1日ぐらい大丈夫ですよ」
というよりも、普段自分の服を変えるには父の目を盗まなければいなかったため、連日同じ服というのもよくある。ラッキーなことに、服は着替えたばっかりだったので全然大丈夫だったのだが。
「んー下着は今日買うにしても、上の服ぐらいは変えといたほうがいいと思うしね。そうだ!あのパーカーならいいかも」
そうして竹内さんの持ってきたのは、猫耳フード付きのパーカーだった。え⁉それ着るの僕?
「ちょっと緩いかもだけど、着ていいというか。着てほしい!だって絶対に似合うと思うしね~」
「えと、あの恥ずかしいんですけど。僕、一応男……」
あ、これ断れないやつだ。だって目がガチだもん。断る権利なさそう。
***
うー恥ずかしい。そんなわけで、パ-カーを着させられた僕は竹内さんの働く事務所に車で向かっている。ちなみに僕のことは事前に話しているそうだ。本当に感謝してもしきれない。
そして、駐車場に車を止めて、竹内さんの後ろについていく。こう見ると、僕高校生なのに身長負けてる⁉しかもちゃんと差をつけられて……。
「よし、着いたよー瑠衣くんここが私のVTuber事務所。Vラインだよ」
「おおー思ったより大きいですね」
「そうかなー実は設備をよくするために少し大きいところに最近引っ越してきたんだよー」
なるほど、そうゆうことか。といってもどんな設備だとかは知らないんだけど。配信の設備とかのことかな?
「あ、朱音さんおはようございます。その子がもしかして」
「そ、昨日言った瑠衣くんだよーいっちゃん」
「その名前で呼ばないでくださいよ朱音さん!では、夢月さん初めまして
「あ、はい初めまして」
「昨日にも言ったけど、オーディションの3期生に私の推薦で入れるからよろしくーとりあえず配信の説明してあげるからついてきてねー瑠衣くん」
「了解です」
こんな感じに特別扱いで僕がちゃんと配信できるのか心配になってくる。あと社員さんの目が痛い、子供を見る目だよ……。
***
「ということで、瑠衣くんはVラインの3期生としてデビューしてもらうよ」
「3期生?」
「そ、まだオーディション結果は出てないんだけど、瑠衣くんと同時期にデビューする子たちがいるから、その子たちと合わせて3期生って言うの」
「なるほど、仲良くできるといいな」
竹内さんは僕の見た目と声を聞いて褒めてくれたけど、そんな人が多くいるわけにだろうしやっぱ難しいんだろうけど……。
「大丈夫だよ瑠衣くんみんなから絶対人気になるよ。だって、見た目もかわいいし声もかわいいんだからね」
「そ、そうですね」
男としてその褒め方はどうなんだろう。かわいいって言われても複雑なような、でも褒められること少ないからうれしいような……。
「配信の仕方は後々説明するから、今日は瑠衣くんのVTuberの体をどんな見た目にするか考えよっか」
「見た目ってどんなのがいいんですかね」
「んーっと、瑠衣くんがなりたいイメージのキャラにしたり、自分の声のイメージからキャラにするとかかなー」
「なるほど……といっても僕はあんま詳しくなくて、あんまり思いつかないかも?」
今までアニメとか漫画も見てこなかったからよくわからないんだよね。
「うーんじゃあさ、瑠衣くんを題材にして作ってみる?」
「僕を題材に?それっていったいどういうことなんですか?」
「瑠衣くんって結構美少年って見た目なの。だからね、それをもとにして体を作ってもいいかなと思うんだよー」
「なるほどです……僕もそれで大丈夫です」
「おっけーじゃあ写真と声をとってイラストレーターさんに送るね」
「はい、了解です」
イラストレーターさんか、どんな感じに描いてくれるのかな。僕をモデルにするとなると、竹内さんの言ってくれたようにかわいくなるのかな?
「じゃ早く決まったし、社員寮に案内するからついてきてね」
そして、この後案内された僕は着替えを買いに行ったりしたんだけど、結局色違いの猫耳パーカーを着ることになった。なんでぇ、でも断れないよあんな目で頼まれたら……。
___
はい、瑠衣くんはかわいい。男の娘系の少年ということだー。
ちなみにこの書き方でいいのかな?
気になったとこあったら、言ってくれると成長できるので嬉しいです。
ペンが進まなくなるのが早い私ですが、好評だったら次のも早めに書きますね。
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