疑問と答え
「ライラ……ね。じゃあ俺も名乗っとくよ。田鹿 蒼だ」
「タジカ……アオイ?で合ってる?」
悪魔ーもといライラはコテンと首をかしげながら聴いてくる。
「あぁ。ま、好きなように呼んでくれ」
「わかった。じゃあアオイって呼ぶ。他に当方に聞きたいことはあるか?」
「聞きたいこと……はいっぱいあるが、その前に……」
俺は1つ気になっていることがある。
「どうした?当方が何かしたか?」
「お前のその当方って喋り方、素じゃないだろ?」
「な!」
ライラの驚き方からしてどうやら正解のようだ。
「いや、俺の名前確認した時の喋り方の方がしっくり来たから、そうかなぁと思ってな」
「たった、それだけで?普通そこまでわからない」
「あいにく1人でいることが多くてね。そういうのが特技みたいになったんだよ」
「ふーん」
ライラは興味なさそうに相槌を打った。
いや、そっちから理由聞いてといてふーんはないだろ!まぁ、良いけどさ。
「もう疲れたし、普通に話すわね」
「ああ、そうしてくれ」
「ま、あれは外用の話し方だから気にしないで。で、何が聞きたいの?」
「えっとな、まず、ここがどこかってことは……」
「地球でしょ」
「わかるのか」
「ええ、あっちの世界で読んだ本に出てくるのとそっくりだもの」
「へぇ、って、あっちの世界ってどうゆうことだ?と言うかなんでここに来たんだ?」
「それも今から話すわ。そもそも私はこことは違う世界の住人だったの。」
「違う世界ねぇ」
「わかりやすく言うと悪魔の国ね。私は悪魔の国の普通の悪魔として生を受けたわ。ただ、大きくなっていくにつれて他の悪魔より賢いことがわかったの。
それで私は国王に支えることになったの」
「国王?お前すごいやつだったんだな……」
「まあね。でもね……
誰かが国王に私が陰謀を企んでると密告したのよ。実際は何も企んでいないんだけど。私が妬ましかったんでしょうね。それを知った国王が激怒して私を辺境の地に追放しようとしたのよ」
「なんだよそれ」
「ほんとにね。まぁ、それで国王に魔法で追放される直前、多分あなたの声だと思うんだけど、助けを求める声が聞こえたの。それで、最後くらい仕返ししようと思って
聞こえてきた方向に穴を開けるイメージで魔力を放ったの。そしたら気づいたらここにいたってわけ」
「へぇ〜。魔法……ま、悪魔なら使えるか」
「使えない悪魔もいたわよ」
「そうなのか?ちなみにここでも使えたりするのか?」
「ん〜、あっちより魔力濃度が強いから使えなくはないと思うわ」
こっちでも魔法使えるのかよ……ん?待てよ?
「じゃあ、なんで俺たちは使えないんだ?」
「人間には魔力回路が入ってないのよ。魔力回路ってのは血管に魔力が通ってるみたいな感じかしら」
「なるほどな……」
そりゃ、俺たちが使えないわけだ。
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