第三章

第二章の軽いまとめ

 クラスメイトたちと再会するべくオセアディア王国を目指す二人。新たに貰ったマインドコントロールの能力を活用し高級列車に乗り込んだ二人は、そこでエルフの過激派テログループと戦うことになる。グループのリーダーと捕らえられていたパレサ王国の軍需大臣からクラスメイトについての情報を手に入れた政臣は、姫愛奈の不自然な距離の詰め方に戸惑いつつオセアディア王国に向かう。


 王都に到着した二人は人間たちの亜人に対する尋常ならざる差別意識の実例を目の当たりし、世界の闇を垣間見る。途中、自分たちをつけ狙う白装束の集団にまたもや遭遇した二人は、そこでクラスメイトたちの発するプラスエネルギーによって自分たちが弱体化してしまうという弱点を発見する。生物の生命活動の核ともいえる〈エネルギー〉。アマゼレブの〈祝福〉でマイナスエネルギーによって生命活動を維持するようになった二人にとって、クラスメイトたちの増強されたプラスエネルギーは身体に悪影響を与えるものになっていたのだ。


 アマゼレブの処置によりプラスエネルギーへの耐性を強めた二人は、クラスメイトたちの拠点である王城への襲撃を画策する。そんな中、アマゼレブの領域に客人が現れる。アマゼレブと同じく〈悪〉に分類され、〈怠惰・傲慢・色欲〉を司る女神ピスラである。同様に暇神なピスラは、アマゼレブの始めたこの〈遊び〉に興味を示し、政臣と姫愛奈を見守ることにした。そんな『天界』での出来事をよそに王都の裏路地で人食いスライムをペットにした二人は、いよいよ王城への襲撃を敢行した。


 ところが、王城ではクラスメイトのリーダー格である篠崎傑しのざきすぐると問題児夏井隼磨なついはゆまが剣を交え戦っていた。自己中心的な隼磨の非人道的な行動が原因の内部分裂だった。そんな中にタイミング悪く飛び込んだ二人。兵士に取り囲まれる中、二人は暖めていた各々の悪役ロールプレイを披露する。しかし姫愛奈が最も嫌う人物である陸上部エースだったスポーツ男子、門倉翼かどくらつばさの呼び掛けに調子を崩された姫愛奈は、押し隠していた情念とも言うべき本心を露にする。しかし、思い込みが激しい上に人の悪意を理解出来ない翼に姫愛奈の本心の言葉は届かず、強いプラスエネルギーにの煌めきによって二人は再び窮地に陥る。しかしアマゼレブの用意していた眷属の援護もあり、二人は撤退に成功する。セーフハウスに逃げ込んだ政臣は、そこで姫愛奈の過去を知る。〈カルマ〉が黒くなる原因となった、おぞましい過去。政臣はうつ過ぎるその話に驚くが、敬愛する伯父の言葉を思い出し、姫愛奈の本性を受け止め、姫愛奈の告白を受け入れる。二人は本物の恋人同士になったのだった。

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