【読み切り】わがまま猫耳少女に襲われた!

空豆 空(そらまめくう)

わがまま猫耳少女に襲われた!


 この話は、

 

【読み切り】わがまま猫耳少女拾っちゃった!(プロトタイプ)


 の続編ですが、今回だけでも楽しめます。

では、スタート!


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 俺は、昨日猫耳の生えた女の子を拾った。

こいつはとんでもなくわがままで、


 「三食昼寝付き、おやつにアイスをくれたら他に何もいりません」


 そんなことを言うから、


「ぜいたくだ。ダンボール入ってたところからやり直そうか」


 要約するとそんな会話をしてた。


 なのに。



「ねぇ、ごしゅじんさま。ちゅーしたい。だめ?」


 俺は今、ベッドでこいつにそんなわがままを言われている。


「だ、め」


 一体なんなんだ。なんで俺なんかに。


「えーなんでなんで。ちゅーしたいー!」


 わがまま言うにしても意味が分からな過ぎる。


「お前な、そーゆーことを男に軽々しく言うもんじゃない」


「なんで?」


「男はおおかみなんだよ。……襲われるぞ?」


 真顔で言ってみた。なのに。



「襲われる? じゃあ、襲われてもいいから、ちゅーしたい」


 一体なんなんだよ! なんのわがままなんだよ!


「おまえなあ。それがダメって言ってるのに……」


 わがまま過ぎるが内容もまた、意味がわからな過ぎる。


「ごしゅじんさまは、みゆのこと嫌い?」


 なのに、あんまりにも残念がる。

 まったく……一体なんなんだ、こいつは。


「キライとか、そーゆーことじゃなくて。

女の子なんだからもっと自分を大事にしろってこと!」


 これで分かっただろうか!?


「みゆは、ごしゅじんさまのそーゆーとこが好き」


 なんでやねん。なんで今度は告白されてるねん。


「え、なんで俺なんか」


「……"俺なんか”?」


 猫耳少女は少しムッとした顔をした後、俺に抱きついた。



「ごしゅじんさまは、みゆの見る目がないと?」


 

 俺の腹のあたりに抱きつきながら、上目遣いで怒った顔を向けてくる。

 なんでこいつ怒ってんの。


「いや、俺なんかかっこよくもないし、取り柄もないし……陰キャだし根暗だしオタクだし?」


「それってだめなの?」


「いや、あんま……モテない、し」


「ごしゅじんさまは、みゆだけじゃ、いや?

女の子いーっぱいのハーレムの方が、いい?」


「そ、そーゆーわけでは……」


 なんで俺の方が怒られてんだよー!

 この、意味のわからない状況に、猫耳少女は


「んー、よく分かんないなー

みゆは……派手な人よりごしゅじんさまみたいな人の方がすき」


 懲りる事なく迫ってくる。よく分かんないのはこっちだよ!


「じゃあ、俺みたいなやつならだれでもいい?」


 俺みたいなモブを相手に遊んでんのか? ……そう思ったのに。


「ごしゅじんさまみたいな人……他にいるかなあ。

みゆ、あんなにわがまま言ったのに追い出さないし、なんだかんだ優しくて、えっちな本いっぱいあるのに女の子泊めても襲いもしないで自分大事にしろとか言うし。そんな人、他にいる?」


 やけに真面目な顔するじゃん。でも、俺、そんないいもんでもないんだよな。


「あー。まあ、俺、男気ないしな。経験もないし。

狼になる勇気もないんだよ」


 ふん。美化したところで実際はこんな理由だ。

つまり俺はヘタレで度胸もないだけ。


「そっか。じゃあ、いやなわけじゃないんだ」


 冷められるかなと思ったのに、こいつは予想外の返答で。


「まあ……」


 返す言葉もないのでそんな返事しか出来なかった。するとみゆは俺の手を掴み……俺の掌をみゆの胸にあてた。


 え、なに、やわらか、てか、でかい……女の胸とか、はじめて触った。


「ねー、今は? いや?」


 俺、なんでこいつに胸揉まされながらこんなこと言われてんの?


「い、いやでは、ない、けど」


 むしろ嬉しいですけど。とは、流石に言えない。


「みゆは、ごしゅじんさまに触れられて嬉しい」


 こいつはへらっと笑うと、そのまままた俺に抱きついた。



 え、なに、なんなの。なんで抱きつかれてるの。


「ごしゅじんさま、ドキドキしてるね」


「……そりゃ、まあ……」


 こーゆー時、なんて言うのが正解なの?

 むしろ正解とかあるの?


「ドキドキしてくれて嬉しいなー」


 意味分からないのに、嬉しそうにするからなおさら意味が分からない。


「ねー、みゆもドキドキしてる。ほら」


 俺は、頭を持たれてみゆの胸の谷間に押し付けられた。……俺の皮膚に……みゆの体温とやわらかさと、ドキドキと脈打つ音が伝わる。


 何? これ、どーゆー状況?


「ねぇ、みゆのおっぱいくらいじゃ……ちゅーする価値、ない?」


 なんでそんな困り顔なの。


「え」


「してもいい? いいよね? ごしゅじんさま、さっきから全然抵抗しないもんね?」


「う」


 みゆは抵抗出来ずにいる俺を覗き込みながら聞いてくると、そのまま目を閉じて


「ちゅ」


 俺の唇にキスをした。


「へへ しちゃったー」


 なんでこんな嬉しそうなの。


「ねー、このままみゆが……おおかみさんになってもいい?

ごしゅじんさまが他の人のとこ行く気にならないくらい、きもちくするよ?」


 何言ってんの。


 頭の中では返事してるのに、俺の口は一向に言葉を発せなくなってて。


「ごしゅじんさま、だいすき。

みゆのこともそのうち、すきになってね」


 俺はそのままされるがまま。



 わがまま猫耳少女に襲われた。





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【読み切り】わがまま猫耳少女拾っちゃった!(プロトタイプ)

https://kakuyomu.jp/works/16817330654512767545


『拾った猫耳少女が俺にだけ甘えん坊過ぎて困る!』

https://kakuyomu.jp/works/16817330654422714055


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【読み切り】わがまま猫耳少女に襲われた! 空豆 空(そらまめくう) @soramamekuu0711

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