9-9 砕け波の恋物語 終

 同性愛者が、戦力的に生産性が無い?


 それが差別の理由になるなら、戦力の生み出し方を見せてやる。


 私達の髄液を使えば、そこそこの危険性空魚空魚を号付異質同体ブルベシメールによって空想級の鱗ル・ファンタスク・スケールクラスにまでことだって可能だ。


 これは、異性愛者には絶対に選べない選択肢。


 異性愛者に、生産性があると言っても、子供を産まない選択もあるし、可能性もある。


 語弊が有るかも知れないが、全ての異性愛者が、必ずしも生産性を全うしているかといえばそうではないだろう?


 選択肢が有ることが重要なのだ。


 産もうが産むまいが、産んでいようが産んでいなかろうが……その選択肢を持っていることこそが重要なのだ。


 お偉い様方や差別主義者は、その選択肢が私達には無いと言いたいんだろう。

 どう足掻いても、選べないと。


 じゃあ、私達の髄液で『クラス4潜水士ダイバーを凌ぐ空想級の鱗ル・ファンタスク・スケールの戦力を生み出せる 』というがあったらどうだ。


 脳内の髄液を提供するなんて、怖くて出来ない子も居るだろう。

 でもという選択肢があれば、私達はやっと異性愛者と同じだけの『カード』を持って、話し合うことが出来るだろう。


 別に、喧嘩をしたいわけじゃないんだ。


 私は……心を殺されてしまう人を、少しでも減らしたいと願っているんだ。


 だから私は、走井はしりい学園で、教授以上の地位を目指していた。


 名実ともに力をつけたかった。


 そうすれば……大切な人を、守れると信じていたんだ。


 最初は、単に号付異質同体ブルベシメールの敵討ちのような気分だったが途中から同性愛者を救う希望になると――私の思いはただそれだけだった。


 ◆◆◆◆◆◆


「……なるほどね! 想像よりずっと良いじゃないか!」


「その才能と知識を失うのは惜しいな――だからやっぱり」


「アンタは

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