10-3 行くなら皆で
「こ、これが
「うん。あの
「初めて見たけど、怖すぎ」
「……いやぁ、しかし凄い。この会見に1人で臨まれるとは」
映し出されているのは
昨日の
『……つ、つまり――今回の危険性空魚の侵入は』
『聞いていなかったのか? さっきも言ったが、想定外だ』
『想定外とは、どういう』
『意味を知りたいなら辞書を引け。少しは学力が向上するだろう』
『そ、そうではなく……な、何故、想定の事態が』
『では、今、お前は、この場に私が来ると想定していたか?』
『え……い、いや』
『それは何故、想定外なのだ』
『……そ、それは』
『教えてやろう。想定していないから想定外なのさ。それ以上もそれ以下も無い』
『じゃ、じゃあ……今後も同じような事が』
『馬鹿か。想定外のことも、1度起きたら想定内に変わるだろ』
『それじゃ』
『2度目はない。だから安心して寝ていろ』
『――こ、これから先も想定外の事態が起きたら』
『その場合、どんなことが想定される?』
『えっ……と』
『お前はこれまでの流れを見て、容易に想定される私のこの切り返しを想定できないような脳みそだから、そういう質問をするんだろうな。これからは記者にも一定の学力レベルやロジカルさを要求したいね』
『……』
『他には』
『…………………………』
『無いな。以上、帰っていいぞ』
「こっ……わ」
「そもそも
この
だが
チームには負傷者が出たが、全員命に別状は無い。
また昨日は、
こちらも同様に
その後、『
この2体の
野生の
想定外の事態が多かったが結果として被害は最小限に留められた。
「――まとめるとこんな感じ? マジであんなとんでもない感じなんだね、
ペンをくるくるさせながら
「表彰、されるかもみたいな話もあったけど……僕らも討伐したメンバーに含まれて良いのかな」
「――亡くなった先生って、誰なんだろう……やっぱり今、こうやって生きているのって、ほんとにちょっと、ラッキーなだけだったんだろなぁ」
ガラガラッ!
3人が居る病室のドアが元気よく開いた。
「男子3人が何、しょんぼりしているの! 明日、退院したらどこかパーッと遊びにでも行こう!」
ドアより元気に
「
「そ、そう?」
「でも元気出たみたいで良かった、
「ありがと、
「……びっくりした」
ケラケラと皆笑った。
「
「もう! キュウちゃん、余計なこと言わないの!」
後ろから声がして
「――
「
「心配かけたな、
「もう、大丈夫なのか」
「ああ。右手もこの通り。ほとんど
「
「
「……そうだよ、
「あと、
「……ありがとう――皆、生きて帰って来れて、本当に…………良かった……」
「……うっ…………」
声を震わす
「
同じように、
「どっか行くってんなら、俺も誘えよ。明日には退院するから」
「キュウちゃんは、あと2・3日は安静にしてなさい!」
「……え、ヒマ過ぎる」
「じゃ、
「あ、良いね! たまにはいい事言うじゃん、
「――たまには? どういう意味だ、
「いや、それその……」
また病室が笑いに満ちた。
想像を超える怪物との邂逅、そして命の危機、そんな絶望に片足を突っ込んだ、非日常の体験。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます