004
4-1 ボクっ娘は考える
突き詰めれば1回1回のキックで、どの位の飛泳距離とスピードが出せるか。そこに尽きる。
一瞬で圧縮できる
技術的なカテゴライズでいうと、
勿論、抵抗を減らす全身の
「やっぱり
男子の2人が、蹴りも圧縮爆発のパワーがあるのはわかる。しかし、そのパワーを逃がさず漏らさず、全て推進力に変える技術が最早、芸術的だと
一蹴り一蹴り、グンと進むこの泳法は、パワーストライドと呼ばれるが、その弱点とされがちな左右のアンバランス感もほとんど見られず、いちいち体が左右に振られたりしない。
じゃあ先頭3人の中で紅一点の
片足キックの連続よりも、腰から背中まで、より広く長く筋肉を連動性させて、大きなパワーを生み出している。
学園でも屈指のスピードである
「いずれにしてもレベルが高過ぎるし、無駄が無さ過ぎる! 勉強になるけど、参考にはならないかな」
先頭の3人の飛泳スキルを見ているうちに
「……そう言えば……あの時! 何で
ライセンス等々のレベルで見ればトップは
順当に考えれば、この2人を隊長副隊長に据えるべきだ。
確かに
それを加味したのではという推察もできるが、だからといってライセンスの序列を覆す程の要素にも感じられない。
「それなら別に参謀で良いし! 順当に上から選んだって3番目は
自分で言って自分で笑った。
「でも、いざって時のために、
『コマ落ちの
一学生ながら既に、警察からの要請で立てこもり犯や暴徒の制圧といった危険な現場をいくつもこなしている。
だからその戦力・機動力をフリーに……という判断もアリかも知れないが――
「でも多分、僕と同じ違和感を
「おーい、遅れてるよう」
――すかさず後ろから
「うおっと! しまった、ごめんごめん! 僕が気を抜いて良いようなメンバーじゃなかった!」
この7人の中で、こと飛泳速度に関しては自身が最下位だと
『だから隊の中程に配置してもらっているんだった! まずいまずい』と
細かく打つのは簡単だが、力が発散しがちで高速飛泳には向かないというのが一般的な見解。
しかし
努力と研究の積み重ねにより、ピッチならではの機敏性・俊敏性を残したまま、前人未到の速度を手に入れた。
先頭の3人や他のメンツと比較して、自分を低く見積もりがちだが、彼女もまた1つの頂点的存在。
ピッチスタイルで
「飛泳しながら考えるのは良いけど、目を瞑っちゃダメだね!」
隊長・副隊長の人選は、
「
そう呟く
それまでの
意味無いことをしないとするなら、その避け方にも何か意味が有るような気がしてくる。
――それと同時にこの7人の中にも、ピリついた雰囲気出した人が居た。
「多分、僕以外は気付いてない……でもきっと大切な何か」
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