24 魔女との思い出の話 6

◇ さくっとご挨拶 ◇



つくもせんぺいです。

出会っていただきありがとうございます!


さて、今回も後夜祭は思い出語り。

自分が大学のゼミで師事した魔女先生こと、村田喜代子先生の魔法の授業のお話。


【2000年間で最大の発明は何か】


前回は課題書籍の、有識者の回答をご紹介しましたが、今回からは弟子の回答編。

今回から2回ほど、我らが弟子たちの回答の紹介。

3回目に魔女先生の狙いや、手記に基づいた考察ができたら良いなと思っています。

では、参りましょう。



◇ 弟子が考える発明と理屈とは 王道編 ◇



今回もタイトル・理由・魔女の考察の3点で展開していきます。

次回にまたがって紹介しますが、まずは王道編いってみましょう。



⑴ 履物はきもの


 人は結局、自分の足でしか前へ進めない。世界がどんなに便利になろうとも、人間の最も有効な移動手段は、「歩く」から変わることはないと断言できる。

 その私たちの生活の基本動作を、外からの障害から内に溜まる疲労から、かばえる範囲でできる限り守ってくれるものこそが、この題材にふさわしいと思う。

(中略)

 夏の酷く熱を持ったアスファルトの上を歩くには、足をカバーするものがあるととても助かる。冬の極寒の地では、外気を一切通さないものが足を包んでくれれば過ごしやすい。ほんの些細な力だと思う。でも私たちは、その小さな存在に日々何気なく守られている。

 時代の変化によって、地面の形状も環境も変わった。

 地面や生活の変化に合わせて、人類の足も変わった。



というわけで、弟子の一番槍は「履物」でございました。

多分今回紹介する2つが、内容的にはなるほどと思える部分もあるんじゃないのかなと個人的には思います。


魔女先生は、立派に理屈が言えた。と評しています。

一行目の〈人は結局、自分の足でしか前へ進めない。〉の断定を置き、〈世界がどんなに便利になろうとも、人間の最も有効な移動手段は、「歩く」から変わることはないと断言できる。〉と、続けて断定を置き、理論を補強する。この始まりが、この人物の提示に効いている。

また、人⇒人間⇒人類と、最終的に言葉を広げることが心憎い。とのこと。


と、いま魔女先生の著書と見比べながらまとめてるんですが、こんなに具体的な評価なんてなかったですよ。

いや、ホントに(苦笑)


ただ、この良評価な理屈にも、魔女先生は弱さを指摘します。


〈夏の酷く熱を持ったアスファルトの上を歩くには、足をカバーするものがあるととても助かる。冬の極寒の地では、外気を一切通さないものが足を包んでくれれば過ごしやすい。〉


この箇所です。

皆さんはどう思われます?

ちなみに自分は何も思いませんw


魔女先生曰く、炎熱のアスファルトに裸足は無理。極寒の地では防寒靴は欠かせない。この部分の論拠の弱さが、文章の一部を弱くしてしまっている。

とのことでございます。

言われてみれば確かに? らしいですよ!笑



さて、この履物という題材と論拠。これを読まれている方はそうは思われないかも知れませんが、現代ではセンシティブな内容でもあります。


「自分は歩けないが、除外されているのか?」


といった受け取り方。

文意とは違うので杞憂でしょうが、日々考えることもあるので、一応自論を。


繰り返しますが、生まれつき足が不自由な方や、不慮の事故などで歩けなくなった方が、自分を除外した論だと謳われるなら、それは違います。


この発明の題材と論拠は、あくまでも2000年を迎えるまでに最大の発明は?

なのであって、それに対する創作だから。と、いう点が一つ。


もっと根本的に自分が思うのは、人類というくくりで考えるなら、両手でものを扱うことを選択し、二足歩行をすることを遺伝子が決断した時点から、人類の歩行方法は二本の足で歩くことでした。


そこから、まず履物が生まれます。

次はもしかしたら、杖だったかもしれません。

その次が収穫物を運ぶ台車だったかもしれません。


足で届く範囲に、誰もが行けるように杖や車いすも考えられ、それよりももっと遠くを望み、馬車だったところが自動車へ、汽車へ、さらには翼を持ち飛行機にまで至りました。


自分はこう思います。誰も除外しないための発明の一つが、移動手段であると。

遥か昔は生きていけなかったかもしれない条件や、年齢でも、現代では生活することができるのは、そうなる発明が成されたからです。


小見出しに「王道」と書いていますが、誰もがに恩恵を与えたからこそ、人類の進化の延長線上をさらに飛躍させたからこそ、そう言えると思います。

空を当たり前に飛べる現代は、宇宙を目指してますからね。

200年後くらいに最大の発明を聞いたら、テラフォーミングなんて事かも知れません。


……なんかヒートアップして長くなりました(反省)



◇ 弟子が考える発明と理屈とは 根本編 ◇



⑵ 投資という概念


 今、世の中には数え切れないほどの発明がある。テレビ、パソコン、車、飛行機、私たちの暮らしを豊かにしてくれるものばかりである。

(中略)そこで考えてほしい。(中略)誰にも思いつかない素晴らしい考えを形にするために不可欠なものがある。

 それは、資金である。天才を何人も集めても資金がなければ何も形に出来ない。形にならなければ発明とは言えない。(中略)

 要するにアイデアと資金が融合してできたものが「発明」なのである。その融合を可能にしてた物こそが、この世の最大の発明と言えるだろう。(以下略)



ということで、弟子の二つ目の回答は「投資という概念」でございました。

これぞ理屈! という魔女の弟子らしい魔法も言葉ですよね。

自分じゃ絶対思いつかないw でも、現代の科学技術においては根本的な回答であることが、この論拠の優れたところだと思います。


魔女先生は前述の「履物」よりも、こちらを捻りを用いてない、まっとうな王道回答だと評しました。



◇ 文字数が…… ◇



予期せぬヒートアップに、2000字を超えてまいりましたので、今回はこの辺で。

弟子たちの中では、王道的な二つの回答をご紹介しました。

お付き合いいただきありがとうございました(^^)


次回は、を発明だと論じた弟子たちの回答をご紹介致します。皆さんは何があると予想されるでしょうか?

なるべく早くお届けできたら良いなと思っています。


それでは、誰かの何かになれることを願って。

ではでは(^^)




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る