18 図書館の前の懺悔室

◇ ご挨拶と今回の趣旨 ◇



つくもせんぺいです

出会っていただきありがとうございます!

さて、この回は懺悔室ざんげしつ

自分が書いた物語についての、行き当たりばったりを悔やむ回です(笑)。


自分自身が次に進むための後夜祭反省会

懺悔室ほど誰得なの? って回もありませんが、お付き合い頂ければ幸いです。

イメージ的には、「王様の耳はロバの耳ぃー!」と穴に叫ぶような、ネタバレをがっつり含む回ですので、未読の方はお気を付けください。


読んでない人がほとんどだよって?

……まぁ念のため(苦笑)

では、参りましょう。

一応ネタバレ遠慮の方に空白を多めに、











はい! 始めましょう!笑



◇ お題企画から生まれた、願いの物語 ◇



『竜と長耳族と青いリゲル』

今回の作品タイトルは、クロノヒョウ様が以前立ち上げた自主企画に寄稿するための作品でした。


でした、と言いますと、リアルの暦では4月時期。

忙殺されて残念ながら間に合わなかった作品です。


当時の条件は、

テーマ「変化するスタートライン」

条件1「1万字~2万字」

条件2「登場人物4人以下(ペット等モブも含む)」


だったのです。

が、間に合わなかったので開き直って書いて、

最終文字数は約27,000文字でござい(苦笑)

約ひと月遅れの、5月に完結いたしました。


今回はそんなのっけから躓いた物語(涙)

主人公と、最初に出会う女の子ベールが過ごした図書館の前にて懺悔のお時間です。


Q. 汝、物語の構成を申してみよ。

A. はい。今回の物語は話数表示で構成しております。3話ずつ、ベール・竜・リゲルの作中セリフを、タイトルにして全9話です。

 それぞれ該当するセリフを言ったキャラクターにスポットが当たれば良いな、くらいのイメージでした。


 物語は、リゲルの一人称で進行。

 あらすじは、ある日突然、森の中の泥地の上で目覚めたリゲル。そこで僕をのぞき込む少女ベールと出会う。耳長族エルフのベールは僕に何者か聞くが、何も思い出せない。

 ベールはそんな僕を、自分が住む図書館に連れ、青くて丸い僕が、再生力の高い再動する粘液リムーバーゲルじゃないかという。

 僕はそこで擬態を覚え、初めてリゲルという名前を貰い、長い時間を一緒に本を読んで過ごした。

 その営みの中で、僕は森にベールが独りで居るのは、巨大な黒竜が森の出入り口を塞いでいるからだと知った。森を出てみたいと願うベールのために、僕は黒竜の元に一人で向かう。

 といったお話です。


Q. 登場人物が少ないようだな?

A. はい。4人以下という条件のもと、3名。

 リムーバーゲルのリゲル。エルフのベール。そして、竜。後は回想セリフ上に居ただけです。



Q. 汝、この物語に起きた出来事を説明しなさい。

A. はい。この物語に起きたことそれは展開と結末の変更です。まぁ、以前の懺悔室と同じく物語の根本(涙)

 字数制限がなくなったことで、大団円を目指すことに……!

 なんて、嘘です。そもそもの設定に疑問を感じ、捻じ曲げました。

 具体的には以下の通りです。


◇ 実際の投稿内容 ◇


 リゲルが再動する粘液リムーバーゲルではなく、水精霊アクアエレメント。ベールは長耳族エルフではなく木精霊ドライアド。ある理由でマナが作用し、形を得た姿であることが竜の口から告げられる。

 竜とリゲルが長く戦うことで、ベールに作用していたマナのバランスが崩れ、ベールに危機が訪れ、それを和解した竜と救い、3人で旅に出る。

 条件付きですが、自分なりのハッピーエンドです。


◇ 構想時の内容 ◇


 水精霊であるリゲルは変わらず、ベールはエルフそのまま。

 森に棲む長寿の種族のイメージです。


 展開についての大きな違いは、登場人物の生死です。


Q. ゴク……


 ゴク? 司祭様?

 リアクションが自筆だから自由すぎる件について(汗)

 

 もとい。

 

 作中、リゲルは弱い。けれど不死の存在として書かれています。

 竜との戦いでも長い年月負け続けるのですが、その年月がベールの寿命を超えるというのが最初のストーリーでした。


 本来ベールの「友だちが欲しい」という願いに作用して生まれたリゲルは、ベールの死により形を保てなくなるハズでしたが、長い年月戦った竜がリゲルに友愛を抱いたことにより、己を保っていたことを、ベールの元に戻り初めて知る。


竜「このままリゲルとずっと戦っていたい。オレも一人でヒマだったし」


 と、ざっくばらんに表現すると、上記のような願いのすり替わりで、リゲルは生きていたというわけです。


 そして間に合わなかったリゲルは、ベールがかつて望んだ、「外の世界を見たい」という願いを引き継ぐ形で竜と旅立つというエンドでした。


Q. ずいぶん様変わりをしたようだが?

A. ここまで変わった要因は、キャッチコピーに対する、ストーリー上の回答にあります。


【エルフは長生きだから、きっと待っててくれるよね?】


 企画のお題である「変化するスタートライン」を目にした時にまず思い浮かんだ一節が、このキャッチコピーでした。

 その後結末を思い描き、最終話の冒頭の追悼から1話目を書き始め、出会いに戻る。書き出しはそれでも良かったのですが、ふと思ったのです。




 ――ベールの仕打ち、あんまりじゃない?


 


 孤独に待たされた挙句の果て、寿命を迎え、リゲルの決意エンドって……。


 そこに愛はあるんか?(どこかのCMのように)


 そう思ってからの方向転換は早かったです。

 ただ、整合性をどうするか?

 そこで生まれたのが、リゲルと同一の精霊であるという存在。

 黒竜が過去、ベールに救われたというバックボーン。

 冒頭からの描写の密度を上げることで、ベールを救う際の演出への、読者への説得性。

 最終的に竜がコクヨウという名前が付き、3人で森を出る。


 まぁ、救出から最後のは力業ですが、結果としては変更した結末には満足はしています。


 キャッチコピーへのアンサーも、自分なりにハッピーエンドを迎えることができたわけで。



Q. 汝、何が問題だったのか申してみよ。

A. はい。単純にこの大規模構成変更をして、企画締切に間に合わなかったこと。

 もっと黒竜の過去や、言葉だけで登場する勇者について、分かりやすく印象づけることができたのではないか?


 あと、登場人物3人なのに、ベールをリーゼと何度も名前を間違えたことですね(苦笑)

 投稿時点で直しましたが、どっから来たのリーゼ(涙)



◇ 迷いながらも、書き上げて良かった物語 ◇



と、エンドを変更したことをただ「ロバの耳ー!」と叫ぶべく書いた懺悔室は、ここで終わりとなります。

元の作品を読んだ方も、そうでない方も、ここまでお付き合いくださりありがとうございました!


企画が無いと思いつきもしなかった物語。

やっぱりこういう場は刺激があるなぁと思います(^^

まぁ、コンテストのコの字にも引っかからないネタですけどw

書きたいものを書くのはいつものこと。

目にした方も、にわかでもこうやって悩み楽しみ書いてますよと伝われば幸いです◎


では、今回はここまで。

誰かの何かに……なるのかな、さすがにこれは(・_・;

ではでは(^^;



◇ 次回予告しますか? ◇


次回は、ポケットを叩くとビスケットが増える! と、いう言葉に絡めた雑談回をやりたいです。

なんことやら(苦笑)

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