ある時お昼に鐘鳴った

甲斐 林介

ある時お昼に鐘鳴った

ある時お昼に鐘鳴った

母さん手ぬぐい提げている。

されど群衆、見下ろせる

高台の石が恋しいの。


狐の小声がいつからか

私のおなかに沁み入って

泡の心地も晴れやかに

一酔い私にくださいな。


いつもいつもと手が鳴って

ひどく私に鳴きかける

相手もなければ敵もない

大丈夫だと思うのみ。


草木花道彩って

私静かに泣いていた。

子供になれない私たち。

しかし肌色、白いまま。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ある時お昼に鐘鳴った 甲斐 林介 @rinkaisuisan

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ