シャボン玉と仔猫

シャボン玉と仔猫

虹色（にじいろ）に輝（かがや）くシャボン玉（だま）を、

仔猫（こねこ）が追（お）いかけている。

風（かぜ）に乗（の）って飛（と）んでいく

シャボン玉（だま）を掴（つか）もうと、

必死（ひっし）に前肢（まえあし）を伸（の）ばす。

あっとちょっと。

あっとちょっと。

思（おも）いきりジャンプをして、

ようやくシャボン玉（だま）に触（ふ）れた瞬間（しゅんかん）

シャボン玉（だま）は弾（はじ）けて消（き）えた。

仔猫（こねこ）は不思議（ふしぎ）そうに

空（そら）を見上（みあ）げたまま、

シャボン玉（だま）を探（さが）している。

だけどシャボン玉（だま）はもうない。

もしも割（わ）れないシャボン玉（だま）があれば、

仔猫（こねこ）はずっと遊（あそ）べるのにと

僕（ぼく）は思（おも）ったけど、

それは違（ちが）うのかな。

儚（はかな）いものほど愛（いと）しくて、

掴（つか）みたくて

大事（だいじ）にしたいと思（おも）えるんだろうね。

仔猫（こねこ）も、

僕（ぼく）もシャボン玉（だま）。

いつか消（き）えてしまうんだ。

その日（ひ）まで

綺麗（きれい）に、

シャボン玉（だま）みたいに

輝（かがや）けたらいいな。

だからこそ、

今（いま）をしっかり生（い）きなくちゃ。