第28話「手紙」

 はるかちゃん、ありがとう

 はなれても、ずっとともだちだよ

 ぜったいぜったい、またあおうね


 私は可愛らしい便箋の手紙を読んで、懐かしい気持ちになった。


 これは小学校二年生の時にうちが引っ越すことになって、仲が良かったまりちゃんという女の子からもらった手紙だ。

 まりちゃんとは幼稚園の時から一緒で、よく一緒に遊んでいた。

 なわとびもしたし、お店屋さんごっこもしたし、ゲームもした。

 私の記憶の中に、まりちゃんはたしかにいる。


 しかし、その後今までまりちゃんと会うことはなかった。

 遠くに引っ越してしまったこと、名字も名前も漢字が分からず、SNSなどで検索しようにも出来なかった。


 でも、この手紙は大事に持っている。

 私の楽しかった思い出とともに、まりちゃんは今何をしているのかな、もしかしたら結婚とかしたのかな、私に会いたいと思ってくれているかな、そんなことを思っていた。


 今度、久しぶりに小さい頃に住んでいた場所に行ってみようと思う。

 まりちゃんはいないかもしれないけど、それでもいい。

 

 私はもう一度手紙を読んで、大事に引き出しの中にしまっておくことにした。

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