トイレの訪問者

「 …… あれ?? おかしいんだよ? 」


 確かにおかしいですね?

メオちゃんの前座が無いなんて、何が起こっているのでしょう?


「それに、前の話を引き継いでトイレからスタートなんだよ? まあ、いいんだよ。手を綺麗に洗うよ」


 –––– この時、まだ知る由も無かったのです。 人類の存亡を賭けた戦いが目前に迫っていることを。そして、文字数が少ないため今回は『おまけ』扱いである事を……。


『おおおお?! ハオよ! ヨクボウ…… ではない何かが来るぞぅ!』

 埴輪の髪留めが遂に狂いました!

ヨクボウでは無いなんて、なにを勘違いしているのでしょう? タグの『現代ファンタジー』が、聞いて呆れます。


 その時でした。

扇風機に向かって話し掛けた様な声が、トイレに響き渡ったのです!

『ワレワレハ、ウチュウジンダ』

–––– 宇宙人です! お目目がパッチリ、グレー色の小っちゃい奴がハオちゃんの前に現れました!!


「グーテンモルゲンだよ」

ああ、なんて礼儀正しいヒロインでしょう。

相手を気遣ってドイツ語で対応します。

 ソーセージとビールが嫉妬するのは必至。おもてなしの心がが宇宙人を困惑させました。


『ナンダ?コレガ、チキュウジンカ? マアイイ、コノホシハ、ワレワレガ、イタダク』

 なんという事でしょう! 侵略者です!

タグを『SF』に変更せざるを得ません!

 そして、地球の命運は現時刻をもってハオちゃんに託されました。

 宇宙人は無表情のまま光線銃をハオちゃんに向けます! 


『シネ。チキュウジン』

 刹那、閃光と共に放たれたのはマイクロ波でした。つまりは電子レンジな波長兵器です。

 この宇宙人はマジでタマを取りに来ています! しかし!


「…… なんとも無いんだよ?」

 そうです!ハオちゃんの埴輪設定が開花しました!  素焼きにマイクロ波など通用する筈もありません! さあ!反撃開始です。

 宇宙戦争の幕開けか、トイレ清掃の幕開けかは皆様の想像にお任せします。


『ナン……ダト?!』

困惑の宇宙人はビビリ散らしています。

そこに、ハオちゃんの鉄槌が下されました。


「非公式ゆるキャラ?だよ?」

何ですって!ハオちゃんは宇宙人を知らない様です!

 その容赦ない言葉が、宇宙人の自尊心を破壊してトラウマを植え付けました。

『ユルキャラジャネェ!ダレがナッシーじゃ! テッカイシロ!』


「ぶっしゃーだよ」

 なんと!ハオちゃんは宇宙人にホースで水を掛けました。強烈な水流が宇宙人の呼吸器にクリティカルヒット! 宇宙人はフィジカル的に溺れます。これが策に溺れるものの末路です。


『チキュウジン、パネェ。チョーコエエ!』

宇宙人は尻尾を巻いてUFOで逃げ去りました。


「ゆる•キャラ•退•散、したんだよ?」


 こうして、ハオちゃんは古墳中学だけでなく、地球の平和を守りました。

 物語は壮大さを増し、何処に向かうのか?

多分、次話に向かうのでしょう。


          –––– つづく

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