危険な廊下
皆さんご機嫌いかが? 女庭メオですわ。
流石はハオちゃん。カリスマ美容師も真っ青なバリカン捌きでしたわ。
それにしても、ハオちゃんを怒らせるなんて…… 話が進むごとにヨクボウが強くなってますわね。
と、いうわけで今日は、ご飯が進むを考察しますわ。
【すすむくん初号機】
辛い食べ物は新陳代謝を高めますわ。
キムチ、塩辛、カレー。
ご飯が爆速で進みますわ。
【すすむくん弐号機】
味噌汁ダッシュ(味噌汁椀が勝手に動く現象)は、目にした方も多いと思いますわ。
これこそ、ご飯が進むの語源ですわ!
(嘘です。信じないでください)
【すすむくん零号機】
人の不幸は蜜の味とはよく言ったもので、現代ではメシウマという言葉がありますわ。
これはヨクボウの仕業ですわ。
そのご飯が進む先には、恨みの連鎖が待っていますわ。 皆様も気を付けるのですわ。
それでは皆様。本編スタートですわ。
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「やあ、はにわハオちゃんだよ。今日もアッシのホウキが唸るよ」
学校の清掃時間がやってきました。
ハオちゃんはホウキを左右に動かして豪快に掃除しています。
教室に舞う埃は、ハオちゃんの愛のように等しく生徒に降り注いでいました。
「ゲホッ、ハオちゃん。もう少し丁寧に掃除を……」
舞い上がった埃が太陽光を受け、光の粒子が乱舞する幻想的な世界。
その中で、女子生徒は咳き込んで涙ぐみます。
それは感動巨編の始まりか、体調悪化の始まりかは皆様の想像にお任せします。
「ごめんだよ。ホウキじゃなくてモップにするよ」
流石は本作ヒロインです。
人の意見に耳を傾けて改善をするハオちゃんは、PDCAサイクルの申し子と言っても過言ではありませんね。キャリアウーマンの一面が垣間見える瞬間でした。
しかし! ハオちゃんが掃除道具を取りに廊下に出た時でした。
『キャァアアアアア!!』と、女子生徒の悲鳴が廊下に響き渡り、危機の到来を告げます。
『おおお…… ハオよ。ヨクボウの気配がするぞぅ』
埴輪型髪留めのダーティな唸り声は、ホラー映画で無音になる時みたく、緊張感を煽ります。
この先、待ち受けるビックリ演出と大音量を確固たるものにしました。
–––– まあ!なんて事でしょう!
ハオちゃん目掛け走ってくる複数の男子生徒の姿が! 『どけどけぇ!』と、叫びながら爆走する彼らの手にはモップが握られています!
「あれは…… 消しゴムホッケーをしているんだよ! 廊下を走ると危ないんだよッ!」
ハオちゃんの危機です!! 既に一人の男子生徒は、ハオちゃんに狙いを定めてシュート体勢に入っています!
「ハオちゃん、変身だよッ!」
すかさず髪留めに触れて、変身するハオちゃん! しかし、その最中に『させるかぁ!魔砲少女ぉ!』と、ヨクボウに支配された男子生徒は強烈なシュートを放ったのです!!
それは、
いけない! 変身中のハオちゃんの顔面まっしぐらに、消しゴムが襲いかかります!
『コツン☆』
……あ、あ、ハオちゃん。その姿はッ?!
なんと、ハオちゃんは13日の金曜日に降臨する某人気キャラクターに変身していました!
顔につけたホッケーマスクのお陰で傷一つついていませんね。さあ、外道な欲望に手加減不要です! 反撃開始です!
「
その強靭な肉体に男子生徒は恐れ慄きますが、『やってやるぜぇ!』と、(俺、ビビってねぇし?)の精神でハオちゃんに突進します。
いけません。これはファール覚悟の捨て身の戦法だとアナウンサーが言ってます!
『なん……だと?!』
しかし、次の瞬間、男子生徒の表情が凍りつきました。
「
なんと! ハオちゃんが男子生徒からモップを奪うと、すかさずシュート体勢に入りました!
「
ハオちゃんの放った消しゴムは、龍のエフェクトを纏わせ男子生徒達を一網打尽に飲み込みました! 『黒龍顎烈撃!!』的なフレーズは禁止です。だって、ハオちゃんはまだ中一ですから、厨二まであと一年の辛抱です。
なんだかんだで今日もハオちゃんの
こうして、今日もハオちゃんは古墳中学校の平和を守りました。
ハオちゃんは水の入ったバケツを振り回して歓喜します。遠心力で水は溢れませんが、どうやって止めるのかがわからず、暫く回し続ける事となりました。
–––– つづく。
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