第16話 刹那の風景5:メイキング対談:家族愛3

――<アメジストセージ 家族愛:◇3サイラス 119頁>

薄 : このサイラスは完全に書き下ろしになります。

緑 : (Web版とは違うという意味で)ニューサイラスだよね。

薄 : 後半の戦闘のところは、結構、二人で直しました。

緑 : 戦闘部分は、僕に振らないで、最初は薄浅黄がかいて、そこから直せばいいと思うんだ。

薄 : 機嫌直して。でも、このサイラスの部分は、やりきった感があるよね。

緑 : いい結末になったんじゃないかなと思うけどね。かっこよかったと思うよ、サイラス。

薄 : なんていうか、4巻以降ここまで、サイラス視点の話が、ほとんどなくて。誰かの視点で、サイラスも登場したりはするんだけど、サイラス視点の話は4巻の魚釣りだけで、3巻からの存在感だけ、ここに繋がってるわけだよ。


緑 : でもいいじゃん。一番いいとこ持ってったんだから。

薄 : いや、そうじゃなくて。その一番いいところを持っていけるだけの説得力のあるキャラになってるのかなと、プロットの段階で思ってた。


薄 : あと、セツナとサイラスの友情というのが、なんだろうな、ここまで、ちゃんと見せられてない気がして、だから、この場面でサイラスの心や行動に、読み手が共感できるか不安ではある。でも、この感じを6巻までは引きずりたくはなく、5巻でビシッと二人の友情を形にしておきたかった。


薄 : 3巻終わった時に友達だよなって言って、友達として認め合ったのはいいんだけど、友達らしいやりとりって、ほとんどなかったと思ってるんだ。


緑 : 4巻で、釣りにいったりはしてるけどね。

薄 : あの釣りもね、セツナは王妃のこと頼みにいく目的ができたし、サイラスは疲れて寝ちゃうで、全然、親睦を深めるとか、そういうのではなくなっちゃったからね。


緑 : そうだね。

薄 : 友人関係ってそういうもんじゃないよなっていうのが、あの場面からもあって。だから、二人の関係をどうみせるかってのが、5巻の、薄浅黄の課題だった。


薄 : で、友人関係だから、サイラスからセツナがあって、セツナからサイラスがあって、双方向があって初めて友人じゃない?


緑 : そうだね。だけど、5巻のここまでには、サイラスからセツナへの話が、まるでなかったね。

薄 : そう。だから、本当はこの場面に来るまでに入れておきたかったんだ。でも、プロットにその隙がなかったんだよ。まぁ、自分が駄目なプロットしか起こせなかったと、自白している感じですが。


緑 : 逸れも含めて、さっきの説得力のあるキャラになっているのかって感情なんだね。

薄 : そうそう。結局この場面て、セツナとサイラスの友情関係を感じてくれてなければ、成り立たない話だから。セツナにユージンを任せておけば大丈夫とか、葛藤をふりきってペンギンに剣を下ろしたところとか、依存ととられるか、信頼と取られるかでこの場面の生死がかかってて、信頼と読者が思ってくれるためには、二人の間に友情があると思っててくれて成り立つことだからね。


緑 : まぁ、この展開に持っていくときに、もう少しサイラスからセツナへ向けての話を書きたかったという気持ちはわかった。プロット見たとき、私はそんなこと思ってなかったけど。


薄 : まぁ、この場面終わったときに、サイラスの話が納得できないから書き足そうってならずに終われたのは……。


緑 : そんな事してあら、大惨事だったよ、満足してくれて良かった(笑)

薄 : 4巻で竜の加護を持ったサイラスが、今まで通りの騎士仲間との付き合い方をしているとか、3巻で国益で繋がるのはつまらないとか、そういった細かい積み重ねがあったから、大丈夫だと思ったんだと、自分の中では納得した。


緑 : そんな繋がり方はつまらないだろうって言ったところね。そういう紹介の仕方は面白くないって。

薄 : そうそう。そんなかんじ。

薄 : 3巻のあの旅路だけしか関係性を築けた時間はないんだけども、そのあとのサイラスの言動で、それが揺らいでいないってなっていて、だから、この場面を書ききれたなぁと思いました。


――サイラスとセツナの友情の話は頁数のわりに長く話していたんですが、話が上手く語れなくて、このままではだめだと、しかたなく編集して書き出しています。なので短めです。あまり、こういった編集をすると対談形式にした意味がないんですが、思いが強かったのもあってか、話が脈絡なく飛び交ってしまってました。申し訳ありません。ただ、緑青さんにだけは、「何がいいたいのか、分からない」といわれたくなかった。自分の普段の言動を省みてください!(笑)



――<アメジストセージ 家族愛:◇4ライナス 124頁>

薄 : で、国王が戻ってくるところなんだけど……。

緑 : これは、もう、完全に書き下ろしだよね。

薄 : 書き下ろしじゃないよ。これは修正だよ、修正。加筆修正。Web版でいう『私と不機嫌な青年』に当たる話です。


緑 : えー、もうほぼ、書き下ろしだって。加筆修正どころじゃないじゃん、どう考えたって。よく履歴見て。どう考えたって、修正どころじゃない。


薄 : まあ、いいじゃない。

緑 : よくない!

薄 : まあ、国王達が謁見の間に戻ろうとしている最初の部分は、書き下ろしと認めるよ。

緑 : どこから目線だよ!ていうか、国政の部分は、薄浅黄が書き下ろしたからって、ずるいぞ。

薄 : まぁ、ユージンがどうとか、キースがどうとか、そういった点を……。

緑 : 勝手に、書き下ろしました。

薄 : 緑青が余裕なかったから、善意で書いたんでしょ。ユージンがどうして過労になったのかその背景がないと、ただの無能に見えるじゃん。


緑 : まぁ、倒れてしまったからね。許します。

薄 : 緑青の方こそ、どこから目線だよ!

薄 : まぁ、いいや。進めよう。また一人、新キャラが登場したね。念のために確認だけど、Web版にいなかったよね。


緑 : いないね。

薄 : なんで、このキャラ登場したの?

緑 : うーん。あのユージンとかキースには、親身になってくれる騎士がそばについてるじゃん。ということはさ、王様にもついてるわけ、きっと。


薄 : いやきっとじゃなくて絶対ついてるよね。なんできっとなのか知らないけど、緑青あなたの作った物語だから!


緑 : それもさ、きっと腹心なんだよ。

薄 : きっと?

緑 : 右腕なんだよ。

薄 : きっと?

緑 : 多分?

薄 : どういうこと?あなたの物語ですよね!あなたが始めた物語ですよね!

緑 : そうすると、やっぱりそういう騎士がそばにいるんだったら。

薄 : 無視ですか。まあ、いいです。そうですね。話すのが、自然だよね。

緑 : 今まで国王視点がなかったから、第一騎士の話は出てこなかったけれども、

緑 : 当然国王にも、いるだろうと。

薄 : それで、初めて十何年間の沈黙を破って、第一騎士が登場しましたってことだね。

緑 : そうそう。

薄 : で、これで、新しいキャラクターが一人、登場したあとに、セツナとユージンとの話があって、まあ、ここは加筆修正してもらったんだけど。


緑 : ほぼ書き下ろしだろ。修正じゃないよ、ほぼ書き下ろしだよ。

薄 : まあ、加筆修正してもらって。

緑 : 全然違うよ、話がもう。

薄 : 今回さ、Web版とどこが違うのかなって見比べなくていいから楽だよね。

緑 : 何が楽? 誰が見比べるの?

薄 : 読者が。

緑 : 見比べる気満々だよ、コメント見たら。どこがこう変わってるのかなって、見比べる気満々だって。コメント見たら。


薄 : でもさ見比べるまでもなく、思いっきり変わってるから。

緑 : もう、こう一行一行だけ残ってる感じで、あここだけWeb版残ってるとか、探すのめんどくさいはず。


薄 : まあ、そんな感じだよね。で、Web版残ってるなら、やっぱり加筆修正で、あってる。

緑 : ここの場面の話をしてたわけじゃない!

薄 : まぁ、いいや。で、まあここで、挿絵で可愛かったぬいぐるみを貰って、家族三人が丸く収まると。薬のこととか、病気のこととかでおこられるのは、Web版と同じね。


緑 : ただ、お酒飲む場面はなくなりました。代わりにお酒を渡してはいたけど。あのお酒のシーン好きだった人いるのかな・?ごめんなさい。理由は後ほど。


薄 : って、いうところで、国王の部分は大幅な可筆修正があって……。

緑 : まだ、言うか。

薄 : 終わりました。


――この辺りの対談は、疲れてきて、コントみたいになってました。前段にあった国政の事を追加した件ですが、国王の偉大さは語るには、国政を語ることは外せないなというのもありました。そして、国王の治世が優れているからこそ、建国祭はあるのだという背景にも、ちょっとだけ思いを向けて欲しかったわけです。



――<アメジストセージ 家族愛:◇5セツナ 136頁>

薄 : これは、完全に書き下ろしです。短いですが。で、書き下ろしなんだけど、プロットなかったんだよね。


緑 : そうだね。でも、入れないと変だよなって思ったんだよね。

薄 : セツナが、家に戻ってきたところの話をね。締め切りまで時間が、ちょっと押してるから、私としてははなくてもいいよって思ってたんだけど。


緑 : もう、許せなかった。直接ラギの視点に行くのが、絶対おかしいと思ったんだ。

薄 : なので、プロットの中にも入ってません。

緑 : 私が勝手に、書きました。

薄 : そうないんですよ、これ。

緑 : まあ、しょうがないよね。

薄 : なので何を思って書いたかちょっと本人に語ってもらおうかな。

緑 : どうも考えてもう、いきなりラギ視点に飛ぶっていうのがね、不自然だと思ったんだよね。城の話は、セツナ視点で始まってんだから、城の話終わるときも、セツナ視点で締めないと、いつ終わるんだってなっちゃうから。セツナの依頼だったんだから、その依頼を受けた本人が締めないとダメだよ。


薄 : そのせいで、時間なかったじゃない?

緑 : 時間なかったね。

薄 : もう、なかったね。

緑 : 違うよ、違うよ。そうだけどさ。結局、時間なくて苦しんでるの主に僕だったんだから、いいじゃん!


薄 : これがなければ、もう少し早く終わってた。

緑 : そんなことはない。そんなことはない!

薄 : ページ数で言うと、1ページちょいもあるからね。

緑 : 少ないでしょ! 考えるために時間使ったけど。

薄 : まあそんな風に、締めが必要だったからっていう、この緑青さんの大プッシュによってできたこのページが、


緑 : 独断です。

薄 : 読者の心の中に響けばいいなと、切に願っております。

緑 : いや別に響かなくてもいいんだよ、響かなくても。ここは別に。

薄 : えーと、次の話にいこうかとおもうんだけど、その前に。このWeb版を読んでる人に対しての説明ですが、この『幕間 : アルトとみにくいアヒルの子』は、さよならされました。


緑 : さよならしたんじゃなくて、次巻に送ったと言って。

薄 : まあ『幕間 : アルトとみにくいアヒルの子』はきっと、次巻で出てきます。きっと次巻で出てきますけど、次巻が出るとは名言できません。


緑 : ポジティブにいこうよ!


――セツナが一呼吸つくだけのパートですが、読者の心の中に響けばいいなと、切に願っております!

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