第15話 刹那の風景5:メイキング対談:家族愛2
――<アメジストセージ 家族愛:挿絵3 94頁>
薄 : ここで、挿絵です。前段のジョルジュのところで流れから察している方もいるかと思いますが、ここは、私が挿絵欲しいですと要望だしました。そして、これも、特に指摘や要望もなくラフ画のチェックが終わり、清書されたものはさらに、引き込まれる絵になっていました。鏡花は今回初めて絵を起こしてもらったのですが、キャラデザはなしで、やってもらいました。
緑 : 4巻の王妃もそうだったから、改めて言うほど?
薄 : 王妃様に関しては、こうなんだろう、語弊があるかもしれないけど、どんな人物画でも、まぁ王妃だなって思えるだろうと考えていたんです。でも、鏡花はセツナの妹らしさが必要だから、もっと、こう、イメージが狭められれるというか。
緑 : でもコミカライズの時に全部決めてたから、そこまで、気にしなかったれなかったけど。僕は。
薄 : 寺里先生の絵柄とsimeさんの絵柄は違うから、気にならないっていうことはないでしょう?
薄 : あと王妃は違うけど、鏡花は漫画に出ていて、漫画のほうが先に出ているから、漫画を読んだ読者さんが、この鏡花と漫画の鏡花の違いが気になるかもしれないから、キャラデザ描いてもらった方がよかったかなと、悩んだりもした。
薄 : まぁ、時間がなかったし、simeさんだから、こう書いているほど深刻に思っていたわけじゃないけど。
薄 : まぁ、ラフがきて、もう文句なしにこれ鏡花ですねって、なったんだけど。
緑 : かわいいよね。
薄 : なんとなく、こう、セツナに似てるような気がするんだよね。
緑 : そうだね。結構似てると思うよね。
薄 : なんかわからないけど、似てるんだよね。作画的な手法とかで、何かあるのかな。全然そういうのわからないから、あれなんだけど。これ見たときに、あっ、セツナの妹だなって思ったんだよね。
薄 : 逆に王妃見ても、セツナの姉だなとか、セツナの母だななんて、思わないじゃない?
緑 : あ、そうね、確かにね。
薄 : ジャッキーのあのサイズと同じくらい、説得力がありました。だから、絵って怖いよね。得力持ってるから。
緑 : 王妃の服の、あのリボンの質感とかも、すごいよね。
薄 : それな。あと、この手、鏡花に握られている手は、刹那なんですけどね。この部分、刹那さんが登場してる。初登場。
緑 : 手だけ?
薄 : 手だけ。まぁ、次いこうか。
――確か鏡花の外見的な特徴は、Web版や書籍版にも記載していなかったと思います(間違っていたらごめんなさい)。公式にでているのは漫画版の絵だけになるのですが、外見的な特徴は、その時に二人で話し合いをして決めました。漫画版の最終話で高校生の鏡花を登場させてもらって、ほっこりしていた記憶があります。でも、挿絵の鏡花の服装には要望を出していませんので、鏡花の胸元のリボンはsimeさんのアイディアだと思います。王妃の服もそうですが、simeさんはリボン好きなのかな?私も緑青もリボン好きです。
――<アメジストセージ 家族愛:◇1セツナ(続き) 95頁>
薄 : それで話は前後するんだけど、ユージンについて、触れていこうと思います。ユージンというか、家族愛といった方が正しいのかもしれませんが。
緑 : プロットのところの話だね。
薄 : そうそう。
薄 : で、Web版で振られたサブタイトルでもある「家族愛」ですが、
薄 : 後書きにも書いたんですが、夫婦の話になっていて、もう少し正確に言うと、恋人の話になっているんだけど。このときは、、『恋人のような夫婦』といった形が当時もてはやされていたので、そこをかきたかったんだと思うのですが。
緑 : おぼえてないなぁ。
薄 : と、容疑者の緑青某は申しております。
緑 : 容疑者じゃない。
薄 : まぁ、冗談は置いといて、夫婦ではなく、アメジストセージは家族愛なのだから、王妃と国王の家族と言ったら、ユージンも含めないとという話になりました。これは、プロットの初期からそう考えていて、それで、再作成と考えるようになったんだよね。
緑 : まぁ、ユージン絡みの話を書き下ろすしかないとなったよね。
薄 : それで、その一環として、この場面のユージンにつながりますと。
緑 : まぁ、王妃の依頼のところからなんだけど。
薄 : そうだね。まぁ、アメジストセージから波及して、不眠症の話ができているので、本筋であるここで話したかったっから、あそこではスルーしました。
緑 : それで、そのユージンにお引き取りをといわれてしまう。
薄 : そうだね。ユージンはこの段階で、かなりの精神的な負荷で、攻撃性が高まっていて理論武装もしていて、セツナの弱点を突いて追い返そうとしてくる感じだね。
薄 : ちょっと、物語を追っていきながら説明していくのと外れるけど、家族愛をテーマにしたときに、なぜユージンが精神的にまいっているということにしたのかというと、Web版でユージンとセツナが対立したから、二人が対峙する理由に説得力を持たせたかったんだよね。
緑 : さわる者をみんな、傷つけるみたいな。
薄 : そこまで、手当たり次第じゃないけど。
薄 : それで、まあ、お引き取り願おうって言っわれた場面に行くけど、セツナが私情だって割り切って口を挟むことにしたのはいいけど、私情だけど実際力づくで追い出そうとするものに対して、どうやって、ここに居座ってさらに、ユージン達と戦う様にもっていかせるかという、問題が残ってたんだよね。
緑 : そうだっけ?
薄 : まあ、これは簡単に解決したから、覚えてないのかもだけど。このセツナは時の魔道士で、その魔力で作られた結界はどうにもできないって話にすれば、一気に解決できるっていう話をしたよね。
緑 : そうだった。
薄 : で、ユージンにキースが無理だというだけで、詳細な場面の必要もなく、話を進められるようになりました。
――5巻を書き終えて心残りだったのは、キースがセツナの引き立て役のような感じのまま、終わってしまったことです。それは魔導師としての立場でしか表の出番がなかったからなのですが、政治的な手腕を見せる場面があったならばなと思っています。
――<アメジストセージ 家族愛:◇2ジョルジュ 101頁>
薄 : ここまでは、建国祭当日をセツナの視点で書いてきたのだけれど、じゃあ、セツナに親しい人達の視点で、今までと、この先の勝負を見ると、どう見えているのかというのが、このジョルジュ視点の主題です。前半部分はWeb版の『王妃の騎士と王子の騎士』を、後半部分は『鳴かない鳥』をそれぞれ加筆修正した感じになってます。
緑 : いろいろ背景を入れてるよね。
緑 : それで、Web版のこの二つの間にあった『僕とゲーム』っていうのが、なくなっているんだよね。
薄 : これは完全に、なくなりましたね。書籍版の物語の時系列的には、◇1セツナのもので、この勝負に至るまでのいきさつが書かれています。
緑 : そっか、『王妃の騎士と王子の騎士』、『僕とゲーム』、『鳴かない鳥』ってあって、『僕とゲーム』を消して、残り2つをまとめたんだね。
薄 : ジョルジュ視点の物語だったから、まとめたように見えるけど、基本は、『僕とゲーム』を削除しただけかな。
緑 : 応用は?
薄 : ここで口でするのは、難しい。
緑 : じゃぁ、まとめるときに詳しく書いといて。
薄 : ひどい。
――という訳で、応用です(笑)
――時間軸が、A→B→C→Dと流れていくとします。
――そして、そのA~Dの内容と視点をWeb版の上記で上がった、見出しで埋めてみ来ます。セツナ視点はセ、ジョルジュ視点はジとして以下に記載します。
――A:セ『僕と王妃と建国祭』→ B:ジ『王妃の騎士と王子の騎士』→ C:セ『僕とゲーム』→ D:ジ『鳴かない鳥』となります。
――Web版では疾走感を出したかったので、時間経過に対して視点を交互に切り替えて表現してみました。
――それに対し、書籍版では心情を追いやすく、時間軸ではなく視点を重視し、配置し直しました。結果が以下です。
――A:セ『僕と王妃と建国祭』→ C:セ『僕とゲーム』→ B:ジ『王妃の騎士と王子の騎士』→ D:ジ『鳴かない鳥』となります。
――なんとなく、答えが見えてきたと思います。<A:セ『僕と王妃と建国祭』>を<◇1セツナ>に再作成する段階で、<C:セ『僕とゲーム』>は削除されました。
――結果、A:セ『僕と王妃と建国祭』→ B:ジ『王妃の騎士と王子の騎士』→ D:ジ『鳴かない鳥』となりました。
――以上、現場の緑青さんに戻します。
緑 : まぁ、きっと、薄浅黄がまとめてくれたと思うので、話進めて。
薄 : 勝手すぎる。で、『僕とゲーム』とゲームが完全になくなった理由としては、何も知らされてないサイラスが、セツナに怒って勝負を挑んでくるって流れだったのだけど、書籍版の方では、サイラスと釣りに行って王妃のことを話しているから、怒る展開にはならないだろうとなって、削除しました。
薄 : それで、前半部分は、建国祭初日の午前のジョルジュの話になっています。
緑 : まあ、セツナの知らない裏側って感じだよね。
薄 : ジョルジュは、王妃が転移させられている場面を見ないように、修正しています。
緑 : 演劇の所が無くなったから、当然だ。
薄 : その代わり、ここ最近のユージンのことや、王妃のこと、今朝の会議のことを加筆してて。
薄 : で、セツナが現れたあと、セツナに対してユージン側に立ってほしいなっていうことを思いながら、叶わなかったみたいな流れになって、戦闘に移っていくんだけど、この戦闘がまただいぶ変わりました。
緑 : 戦闘は、かなり書き直しました。
薄 : まず、鳥をね、千羽鶴にしたんだよね。千羽鶴の方が、王妃の想いが込められてるっていう話と、合うだろうと思って変更したんだよね。まあでも、きっとこれ、海外に行った時になんで紙の鳥なのって、わからないってなるかと思うんだよね。
緑 : わかるんじゃない。わかるわかる。有名だから。
薄 : それで、戦闘シーンを1回書いてもらって、いやいやいやってなって、じゃあ一緒に書くかってなって書き直しました。
緑 : 同意したくない。
薄 : それで、戦いに入って、王妃の意識が流れ込んでくる箇所は、
緑 : 意味合いは、変わってない。
緑 : ちょっと、王妃の想いを見る回数が増えたのはあるけど。少し、悲惨寄りになったよね。王妃の話がを深掘りした分、流れ込んでくる情景の衝撃が増えたから。
――ここと、このあとの戦闘ですが、結構な時間話していたのですが、緑青が書き直したのを、さらに二人で修正するという過程があったんので、ほぼ愚痴の言い合いになっており、それをカットしたら、こんな短くなりました。無駄な時間だった……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます