第021話 黄金週間 The First-2

エアホッケー勝負の結果、僕の希望だったアクション映画の2を見ることになった。白熱したエアホッケー対決の後にアクション映画。何か熱血マニアよろしくな感じがしてくるが、僕は熱血は嫌いじゃない。むしろ、少年漫画とか好きだから大いにアリだ。もう一つの少女漫画原作も好きだから確かに選ぶのは難しく思ったが、篤人は前に一緒に見たアクション映画を選ぶと思っていたけど、僕の予想が外れた形だ。


それはさておき、僕らは仲良くジュースとポップコーンを手に指定席に座る。僕と篤人は1の話を思い出しながら、今回の2がどうなるかを話し合う。そして、時が来た。室内が暗くなり、スクリーンに映る。映画館ではよく見るカ○ラ男とパト○ンプ男の鬼ごっこが 始まった。これを見ると、映画館で映画を見ている感覚が強くなる。


そして、始まる本編。

セピア色の世界で今よりも若い主人公が師範と向き合う姿。そして、二人は激突する。そんなシーンから始まった。そして、膝を付く主人公に片手を上げて去る師範。主人公の慟哭が響き渡る。

そこからオープニングが始まり、終わると暗転して飛び起きる主人公。オープニング前は過去の話で、それを夢で思い出したのだろう。暑さか悪夢か...苦い顔をして水を飲む。そんな状態のまま外に出て看板を見上げる主人公。場面は再び暗転してセピア色の過去を思い出している。今よりも幼い主人公は師範に頭をガシガシされて、将来はお前が継げと言われて、笑顔で応える幼い主人公。そんな記憶を思い出したのか、今の主人公に戻る。

1と同様に学校の総合格闘技部に所属している主人公。1での問題を解決した主人公は部からは一目をおかれる存在となった。そして、対外試合の日。相手の学校を訪れるとそこにいたのは師範だった。詰め寄るが相手にもされず、心乱れるがままに試合を行い、相手に惨敗する。そんな主人公を見下ろして、師範は「相手にもならなかったか」と呟いて去る。

そこから傷心で荒れる主人公。それを止めるのは1では敵となっていた同じ部のライバル。二人は戦い、1での回想を挟んで立ち直る主人公。

時が過ぎ、冬。復調した主人公はライバルとともに冬の大会に出場する。そして、再び見える師範と惨敗に喫した相手。準決勝...夏とは違い互角の戦い。こうして、最終ラウンドまで持ち込み、追い詰める主人公。相手は驚愕した様子で問う。

「僅か半年...何がお前を変えた!?」

と。主人公は半年の思い出をダイジェストで思い出し、更に昔の記憶を思い出しつつ、半年を否定する。

「半年ではない...俺の一生の積み重ねだ!!」

この言葉と共に、最後の一撃を放つ。相手はその一撃でノックアウトになり、主人公は拳を振り上げた。大きな歓声。そして、最後に師範は主人公に近づき、おめでとうと言って去っていく。

暗転して、決勝。主人公はライバルとの戦いが始まり、俺たちの戦いはこれからだ!!という感じでエンドロールを迎えた。

そして、エンドロールが終わり、ラストシーン。そこには睨み合う師範と謎の男。二人は黙ったまま拳を交えようとする。

そのまま、画面は暗くなり、『3 coming soon...』という表記と共に映画が終わった。


映画も終わり、僕と篤人はグッズを買って映画館を出る。篤人がクーポンを持っているから、今日は回転寿司に向かう。映画が始まる前にネット予約をして正解だった。僕たちは映画の話で盛り上がりながら、寿司を食べる。今回のも面白かったので、DVDが出たら1と2を連続して見ると約束をして今日は解散となる。


その後帰宅し、ソシャゲを始めると見過ごしていたお知らせがあったらしい。それを見ると、今日見なかった方の恋愛物の方とコラボをするらしい。どうやら、映画入場特典があるとか言う完全な不意打ちだ。解せぬ。

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