第008話 試験とレースとチョココロネは最後まで大事(当社比)

(side:日記)

2/24

今日も昨日と同じような朝から始まる。流石に二日連続で客に同じものは良くない。そんなわけで、寒さ対策も兼ねての鍋だ。準備するものは鶏ガラ出汁と具材の準備ぐらい。ちなみに、飛び入り参加は夏奈のこと。午前中の勉強は途中で任せてじっくりコトコト煮込んだので我ながら上出来だ。鶏肉団子も用意したのでしっかりと味が出て美味しかった。鶏鍋なら雑炊と麺の戦争が起きるが、僕は雑炊派だ。そして、ここの主は僕。つまり、雑炊こそが正義。

話は変わり午後も昨日と同じ。3時のおやつは今日は夏奈が持ってくることになったが、加藤さんも持ってきてくれたようだ。そんなわけで、ちょっと豪華版。休憩のゲームはマルコの懇親会を予定していたが、よく考えるとあれは始めると長いので、マルコレースにした。懇親会の方はテスト終了の打ち上げでやることにした。

休憩も終わってテスト勉強を再開した。最初にやった参考書問題の点数も全員が上がったので、抜かりなしといった所だろうか。僕のライバルの存在は本当に強敵だ。今日はビッチリと寝る前まで頑張ろう。

明日からの試験、無事に切り抜けて見せる。


(side:リアル)

昨日と同じぐらいに今日も起きた。基本的には昨日と同じく昼の準備をする。今日は昼から鍋だ。そう鶏鍋。僕は鶏肉が好きだからね。手羽元とぶつ切りと鶏肉団子。後は白菜などの野菜だ。そして、〆は雑炊と決めているのだが、冷やご飯の量は...問題なさそうだ。念のためにご飯も普通に炊いておこう。そして、平行して晩御飯の仕込みも終わらせておく。大方の準備が終わっても時間に余裕はあるので、少し復習しておこう。

しばらく時間が経つとインターホンが鳴る。僕が出ると昨日のメンバーと夏奈がいた。どうやら、加藤さんと夏奈は近所付き合いのある同士らしい。これは少し驚いた。何でも同じところで3時のおやつを買っていたらしい。つまりは、3時のおやつは豪華になるということだ。


「さて、早速だけど、昨日と同じく復習から開始します。あ、夏奈。いつもの勉強方法だからー」


「あぁ、あれだね。おけおけだよー」


そう言って、いつも通り、参考書を取り出している。他の三人も昨日と同様だ。

そうして始まった勉強会。夏奈はいつも通りの出来のようだ。昨日集まった三人も昨日の終わりと変わらないぐらい。


「それじゃ、夏奈も問題なさそうだから、数をやっていこうか」


そう言って、高等部チームと中等部チームそれぞれの学年の学校のオススメの問題集を取り出す。僕は事前に解いている問題集なので、学校の範囲と照らし合わせることが出来る。


「付箋の所がテスト範囲だから、取り敢えず、解いていこうか。あ、中等部組は範囲が変わっていそうなら声かけてね。後でチェックし直すから」


高等部は今年度。中等部は二年前。大きく外れる事は少ないだろう。

何だかんだで解き終わると11時となっていた。そこで、各自採点だけはして、見直し等は昼御飯の後に決定する。僕のはパーフェクト。昨日やった部分が出たのは大きい。篤人と加藤さんはちょっと不味そうな雰囲気で、夏奈と琥珀からは余裕を感じる。


「よし、僕は最後の仕込みをしてくるから、それまでは続き頑張れー」


夏奈と琥珀は手を振り、篤人と加藤さんはそっぽを向く。ひどく対照的だなと思いつつも最後の仕込みに向かう。仕込みと言っても鍋に具材を入れるだけ。ご飯は炊飯器で保温状態にしているから問題なし。コンロなども用意しているからこっちも問題なし。そんなわけで、少し早いが昼食タイムだ。僕が勉強部屋のメンバーを呼ぶと全員が速やかにやってきた。

全員が席に座り、白ご飯はあると伝えると全員が希望した。普段よりも多く炊いていて正解だったようだ。そして、全員で鍋を囲い談笑しながら食べた。〆は雑炊だと伝えると加藤さんと篤人、夏奈は麺派らしかったが、鍋奉行の僕の一存で雑炊を強行した。もしかしたら、残るかなと期待はしたが、綺麗になくなった。美味しかったようで何よりだ。

その後は午前中の採点結果で悪かった部分の集中学習だ。3時のおやつの時間には無事に克服出来たようだ。

これから休憩時間のゲームでマルコの懇親会の予定だったが、一時間ぐらいで終わるかと夏奈に指摘されてしまった。


「確かに終わらせるのは無理だよな...どうする?」


「あ、四月朔日先輩、レース!マルコレースはどうですか!?最新のってプレイヤー最大八人ですよね?」


そこで、加藤さん推薦のマルコレースになった。昨日と同じく加藤さんと僕とのデットヒートをしていたが、途中から操作に慣れた三人もデットヒートに混ざるようになって、最終的には大混戦で終わることとなった。

休憩前には十分な結果になっていたので、緩い雰囲気が出ている。復習ついでの朝の問題集をやるも全員が良い感じの点数となった。加藤さんは今回は期待できると喜んでいた。


「あ、先輩。テスト終わりの打ち上げ、皆でマルコの懇親会やりたいです!」


すると、周りの皆も異口同音で賛成していく。


「それじゃ、テスト終わりは僕の家で打ち上げをやろっか。まぁ、今日昨日みたいに何か作るのは大変だから、デリバリー頼もうか」


僕がそう提案するとテンションが上がったのか、先程の緩い雰囲気が消えて、最後の詰めまで頑張っていった。こうして最後の勉強会は順調に終わった。後は皆の実力次第だろう。僕は風呂や晩御飯が終わったので、寝るまでの間、ギリギリまで復習と見直しを繰り返した。











  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る