序章 無秩序混沌京 二ホン

ネオトーキョー・道頓堀市にて。


空高く並ぶビル街。日夜ホムンクルス達が活動する、欲望渦巻き、あらゆる常識が通用しない、日本で今一番ホットな地域。



ネオトーキョーで最も高いビルの最上階にて、一人の男がいた。


彼こそが、このネオトーキョー・道頓堀市の支配者である。彼は自らの野望が成就することを確信し、酒を飲みながら一人嗤い、唐揚げを食べた。



「ふむ、やはり毒鶏の唐揚げは最高ですね。酒に合う」



目の前には、深夜にも関わらず消灯することなく光輝くビル街。彼の政治的手腕とカリスマにより、僅かな期間で異常極まる発展を遂げたのだ。


彼の支持率は208%。次期市長選当選確実とまで言われ、現職市長は既に傀儡と化している。


「マスター。計画は最終段階に移行しました。我ら【日本開闢党】の決起の日を近いかと」


「…ふむ、よろしい。ここまで来るのに時間がかかったものです。思えば、ここまでいろいろなことがありました」


「ですが、時間に見合う用意はできたかと。既に日本中に種蒔きは完了しました。特にホムンクルスを味方に引き入れることができたのは大きいです。あれらは非常に良質な労働者です。」


「…あの蛮族ですか…正直いうと、私はあまり期待はしていません。いえ、むしろあれこそが最大の不確定要素です。山田竜の実質的なゲーム勝利により、計画を大きく変更させる必要がありました。」


そう、山田竜。私のライバルに相応しい者。そして、絶対に許すことができない、復讐対象。私はこの恨みを晴らすまで、決して止まることはないでしょう。


「ホムンクルスがいなくても、初期計画に問題はありませんでした。ですが、山田竜の勝利により、ホムンクルスを味方に引き入れる必要ができたのです。必要がなければ、最優先排除対象としてわ即座にこのネオトーキョー・道頓堀市から排除したことでしょう。あぁ、頭が痛い」


ホムンクルス。サツマの精神を持つ者達。食費。


クソッ、どいつもこいつも、私の邪魔ばかりする!!!


…いえ、冷静になりましょう。感情的になるのは良くないことです。何事も、前向きに、プラスに考えましょう。


「ホムンクルスが戦力になることは事実。彼らの裏切りにより、我々の戦力は大きく増強されました。さらには計画完了時の効果も大幅アップ。彼らには頑張ってもらいましょう」


「…では、マスター。ついに?」


「ええ、時は来ました。パチンコの新台入れ替えは明日です」












「では始めましょう。【日本開闢党】による、【日本人ホムンクルス化計画】を!!!」






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