番外編 ゴブリン占い師の記録

Case1 少年A


「このままじゃダメなんだよ、俺はもっともっと強くなりたい、皇女様を守れるような、騎士になりたい」


「なぁ、どうすれば俺は強くなれるんだ?」


「あんた、ガチャから出た宝石を持っているかい?」


「あぁ、この俺の意思だろ?…まさか、使い方がわかるのか⁈教えてくれ!」


「簡単だよ!」



バキバキバキバキ


「えっ」


「ほら、食いな!」


「ごがががががががががぎ」


「これは魔力の結晶だからねぇ。食べれば吸収されてその力が身につくよ」


「…どうしたんだい、顔を真っ青にして。早く飲み込みな」


「…おや?」


「だ、誰か!!医者を呼んどくれ!急患だよ!」






「止めとくれ!冷え症のババアに氷属性攻撃は弱点だよ!わざとじゃないんだよ!」








Case2 暴食の邪神 ベヘモット


「あんた来るんじゃないよ!あんたがいるだけでお腹が空くんだ!」


「それはそうだろうな。我が飢餓の権能が発動しているのだから」


「じゃあ権能を使うな!嫌がらせかい⁈」


「そうだ!俺は邪神ベヘモット!人が苦しむ姿が好きなのだ!」


「そして金がない!金のほとんどは食費と投資で消えてしまった!どうかタダで占ってくれ!」


「やだよ!なんでただで占わなきゃなられぇんだ!」


「ではずっとここにいよう!」


「…わかったよ。この前蘇生した82層司令官の作るミートパイは絶品らしいよ」


「ミートパイか!悪くないぞ!これは礼だ!」


【ガーリック&ガーリック】1000GP分優待券


腸破壊ガーリック。胃や腸が頑丈なホムンクルスや魔法で対策をしなければ次の日お腹を壊すことほぼ確定なにんにくを使う料理店。

ホムンクルスに絶大な人気。なおホムンクルスと山田以外は近づこうとしない。

以外は近づこうとしない。





Case3 お掃除ロボット



「な、何だいあんた⁈」


「ウィィィィィィィィン」


「く、来るんじゃないよ!ここにゴミはないよ、あっち行きな!」



「蝿ヲ発見、ビーム発射」


ピュッ


「ひえっ」


『処分完了』





Case4 縺代s縺帙>


「真の剣士は武器を選ばない、それが名剣であろうと、木の枝であろうと、剣を極めたものは獲物を選ばない、そう考えていました」


「ですがこれは、私というキャラクターに与えられた設定に過ぎなかったのです」


「私に相応しい剣が欲しい。聞けば、名もなき聖剣というものがあるそうです。それはどこにありますか」


「わからんね、うまく隠されているようだ。だが安心しな、その剣は真の剣士にしか抜くことはできない。お前さんなら、抜くことができるだろうさ」




Case5 拳銃


「貴殿は占い師だそうだな!華山派の武功を学んではどうだろう!」


「嫌だね!」




Case6 神父


「さすがは山田様が出した占い師ですね。あなたの占いは大当たりでしたよ。計画通り、聖遺物の回収に成功しました。その礼として、運命教会の星読みの称号を与えましょう」


「は、ありがたいことだね。で?金はちゃんと払ってくれるんだろうね」


「ええ、もちろん。こちらの小切手に好きな金額をお書きください。運命教会が肩代わりします」



Case7 最高司祭



「いま神父様が来ませんでした⁈何をしましたか!」


「占い内容は個人情報の観点から教えられないよ」


「そこを何とかお願いします!」


「星読みの称号と何も書かれていない小切手をもらったよ」


「あぁ、そんな勝手に!神器製作のためにいくらあっても足りないのに…」


「それともうすぐあなたにライバルが訪れるよ。そいつは運命教会の権力を手に入れようと、暴力に訴えるだろうね」


「そんな!」







Case8 カメラ男


「^_^Σ੧(❛□❛✿)Σ('◉⌓◉’)(๑╹ω╹๑ )」


「すまないね、何を伝えたいのかさっぱりだよ」


「(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾✌︎('ω'✌︎ )*(●´ω`●)」」


「いや、だからわかんないって。パントマイムを止めて筆談で頼むよ」





「ああ、六課の仲間がいつ来るのかだって?で、具体的に誰が来るか占って欲しいのかい?」


「戦う青色発光ダイオード?人型消防車?赤レンジャー?何言ってんだい」




「えっ、六課のメンバー?」



「…まぁ、しばらくはないね」


「٩( ᐛ )و( ͡° ͜ʖ ͡°)✌︎('ω')✌︎」



「どういうパントマイムなんだい、それ…」




Case9 ナウル共和国


「リン鉱山?バカ言ってんじゃないよ。あんたらはそのリン鉱山で大変なことになったんだろう?懲りないねぇ」


「そもそもリン鉱山、ほとんど残ってないよ。強いて言えば…ここだね。ここに僅かだけどある。すぐに無くなるだろうけど、まぁ頑張りな」



Case10 EU服飾装飾品ブランドメーカーCEO


「どうすれば利益を増やせるか?あんたそんなこといってるばあいじゃないよ。役員があんたの解任決議のために頑張ってるよ」


「投資?職人を大事にしな。量産品じゃなくて、職人が一から、手作りの工芸品。伝統を守るんだね」



Case11 アイスランド政治家


「今年の農作物は不作だよ。病気に注意しな」



Case12 社畜死神


「いつになったら戦いは終わるんですか⁈」


「終わらないね。まだまだ続くよ」


「うわぁぁぁぁぁん!残業はありませんけど、とにかく忙しいんです!人手が足りないんですぅ!」


「覚悟しな」


「あぁ…どうしてこんなことに…無駄に才能を持って生まれた自分が恨めしい…」





Case13 人質


「私は運命教会神学機械党党首のマーケンである!」


「…はぁ、それで?(心底面倒くさそうな顔)」


「私は目覚めたのです!あの信じられないくらい高度な技術でできた機械の前には、私のような機械人間など玩具に過ぎないと!」


「私はガチャ様という機械、そしてそれを使うことのできる山田様の2柱を神とする宗派を立ち上げました!」


「私の宗派の命題は、「神に等しい力を持つ機械は神なのか?」です!私は神に等しい力を持つ機械を製造し、山田様とガチャ様のために使おうと考えています!」


「そこでなのですが、どのような機械を作れば良いでしょうか」





「星だね。星に関係する機械を作りな。望遠鏡とか、宇宙船とか」



「なるほど!では隕石迎撃用超長距離対空砲台を作りましょう!」


「何で?」




Case14 7号


「私ね、首を集めることが趣味だったの」


「ダンジョンの中が大混乱の隙を狙ってね、階層司令官の首を斬り落とすの。司令官や幹部、100人くらい首を落としたかな?みんな強くて、斬るのも楽しかったなぁ」


「でもね、竜が転生の祭壇を手に入れちゃった。それで転生に使うからって理由で、首は全部没収されちゃった」


「まぁ、それでまた殺し会えるからいいけど」


「それでね、天使って強い?斬ったら楽しいかな?」



「……ええ、天使は7号様を楽しませることができるでしょう」


「それはよかった。強い天使の羽で羽毛布団でも作ろうと考えてたんだ」









Case15 山田竜



「占いって楽しいよなあ。どんな結果がでるかわからないからワクワクする」


「でもさあ、それっていい結果が出た時だけなんだよな。悪い結果が出た時思うんだよ、俺のことは俺が決める、何勝手に決めてんだって」


「都合のいい話だけど、いい結果が出れば喜ぶし楽しい。嫌な結果が出た時だけムカつくだけだ」


「親と警察と先生、その人達以外の思い通りになることが嫌なんだよ」


「それで?俺を占った結果は何だった?」













「あんた、死ぬよ」









「上等だ、誰かは知らないが斬り殺してやる」





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