対価
従軍記者と広報室職員、カメラ人間が動画投稿を始めるらしい。
はぁ?動画投稿?どこに?どうやって?
彼らは初期装備として撮影機材一式と編集ソフトの入ったパソコンを所持していた。それらを使って運営に対して動画を送り、許可が出ればチャンネルに投稿してくれるようだ。
ちゃ、チャンネル⁈何を言っているんだお前らは。
どうやら俺たちユーザーには専用の動画サイトに個別にチャンネルが開設されており、チャンネルには俺たちの生活がライブ配信されているようだ。
視聴者はお気に入りのユーザーのチャンネルを登録し、何かあればすぐに見れるようになっているらしい。
らしいと言うのは彼らは運営に撮影編集した動画を送ることができるだけで、実際の動画サイトを見たこともなければチャンネルの管理も運営が行なっているので詳しいことはわからないそうだ。
動画に投稿されているのは俺のライブ映像とそのアーカイヴ、そして重要な場面の切り抜きだけらしい。
彼らはこのチャンネルに動画を投稿し、他のユーザーとの差別化を図り登録者を増やそうとしているらしい。
まぁ、頑張ってくれ。もしかしたらチャンネル登録者が一定数いけば業績の達成に繋がるかもしれないしな。
ちなみにどんな動画を投稿するのかと言うと、
『実演!銃の整備方法』
『アナスタシア王女殿下と少年Aによる皇室マナー講座』
『寿司職人マグロ解体ショー』
『衛生兵による応急手当てについて』
の4本の投稿を予定しているようだ。面白そうだ、頑張ってくれ。
さてさて。本日のログインボーナスはファンタジー確定コインだった。
ではまずは無料ガチャ!
HR『天候操作 猛吹雪』
出現したのは黒いリモコンだった。リモコンにはボタンが2つしかなく、一つは雪だるまのマーク、もう一つがOFFと書かれたボタンだ。
………うーん、鑑定するまでもないかな。このボタンを押せば猛吹雪が起きるということだろう。
ガラクタ置き場の中でも比較的重要、貴重そうな物が集められている場所に置いた。
それでは、ファンタジー確定コイン!
ガタンッ
R『ユニコーンの角』
ユニコーン。額に一本の角が生えた馬に似た伝説の生き物。
そのユニコーンの角には水を浄化し、毒を中和する性質があるとされ、さらに病気を治す力を持っているらしい。
教皇パウルス3世はこの角を求めて多額の資金を費やしたという。
しかしユニコーンの角として市場に流通していたのはイッカクの角であり、オランダ経由で江戸時代の日本にも輸入されていた。
出現したのは、長い角だった。白色の、くるくると螺旋状にねじれている。
触ってみる。その触感はツルツルとして、先端は鋭利に尖っている。
首なしがアンデッドにしたいと言い出したが、もしかしたら薬などを作る材料、回復アイテムになるかもしれないので拒否、ガラクタ置き場に置いた。
………さて。
ついに、みかんジュースの金塊化作業は終了した。
全魔力を消費しては、休憩、そして黄金化を起きている間ぶっ通しで続けてきた。
100キロ、元蜜柑ジュースはかなりの量だ。
…それにしても、俺の説ではこの空間はVRMMOのはず。金塊なんか手に入れてどうするのだろうか。
まあいいさ。金の使い道なんてどうでもいい。
では、納品!
『業績!国家として認められました!』
『プレゼントボックスに政治関係アイテム30連ガチャコイン(おまけなし)が追加されました』
うおおおおおお!30連!今まででも最大10回だったのに、今回は30回!
金塊100キロ分の価値があるぞ!
レッツ、ガチャ!
来い、SSR!
C『国家ゆるキャラセット完全版』
C『書記官』
C『国会議事堂ジオラマ』
C『熊本県庁石川春馬のパソコン』
SR『王権神授説』
C『暗殺者スナイパー』
C『アメリカ大統領VSイギリス首相ガチンコバトル!』
C『黄色いベスト運動初心者応援セット』
R『交流戦拒絶権』
C『投票箱』
C『選挙掲示板』
SR『亡命権』
UC『国会議員バッジ』
C『一兆ジンバブエドル』
HR『ロックオンアンドシークレットファイル(一回限定)』
SR『運命教会最高司祭 アリス』
HR『オルテンシア王国王室料理人兼騎士団第8席 氷炎のパーシヴァル』
C『応援ポスター』
C『『惑星地理院長マグナ』ガチャバトルカードダス第四弾『惑星変動編』収録』
C『プロパガンダ』
R『公文書図書館』
C『アメリカ独立宣言のコピー』
C『日本国首相宛てメッセージ』
R『二重スパイ』
C『国会食堂寿司定食』
C『ベルリンの壁のカケラ』
C『選挙カーのタイヤ』
C『拡声器』
C『アメリカ大統領専用機模型』
UC『名古屋城の鯱鉾』
ぬわぁぁぁぁぁぁ!SSRが一つもない!
そして玉石混合だ。反応に困る!
『アメリカ人ユーザーの農業生活』
アメリカ人ユーザー、現在のランキング996位のライアン・グリーンフィールド。
彼に与えられた能力は妖精顕現、アイテムは世界樹の苗という、微妙なものであった。
顕現できる妖精たちは戦闘向きとは言えず、その多くがのんびりとした者たち。世界樹の苗だって、妖精たちからすれば国宝にも匹敵する凄まじいものらしいが、彼にとってはただの木の苗だった。
そんな彼が始めたのは、農業だった。
何とかして作り上げた集落の妖精たちと共に、農家である彼は農業を始めた。
彼にとって地球の支配権だとか、祖国アメリカの覇権はどうでもいい。
今の彼は、自身だけの惑星と言う、誰のものでもない未開拓の土地が与えられたこと、そして夢にまで見た自分だけの農地を手に入れたことが、嬉しかったのだ。
だから戦力の拡大には消極的で、彼はこの前のレイドイベント『ビースト・ウォーズ』ではほとんど参加しなかった。偵察隊として少人数派遣しただけ。
その結果として、アメリカから失望されたのか指定されなかった。
だが、それでもいい。
彼の生産する野菜や果物は、妖精の魔法により非常に美味で、妖精が誘拐してきたという多くの人たちからも高い評価を受けている。
それで十分。
だが、懸念もある。もうすぐ強制的に行われる交流戦だ。
これがどういった物なのか、不安だ。
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