次は
春が顔を出すようになった
少し明るい色のヒールは
半音高い音を奏でる
ガラスに映る自分の顔に
まだ見慣れない大人を感じる
その人が行き着けていたBARは街外れにある
もうそこに彼は来ない
だけど私は扉を開けた
カリラ12年に過去の自分を重ねる
たった半年という月日でも
女を変えるには十分な長さだ。
「さようなら」
私はグラスアロマが残るその部分に、別れを告げた
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