第20話 リヒト...愛している リタSIDE


少しは挽回出来たと思っていたんだけどな…全然届いていなかったか…


久々に聞いたな『ごめんなさい』


前はナンパだったから堪えなかったのか。


こんなに悲しくなるなんて思わなかった。


「うっうっ、俺は本気で好きなのに…」


ヤバいな涙が出てきた…


「今日は帰っていいから、また頼むね…」


「残念でしたね…」


「まぁね」


なんとか御者に帰って貰うように伝えた。


此処からいつもの宿はそんな遠くない…風にあたりながら歩いた方が良い。


行くか…


「グスッグスッ」


俺が歩き始めようとすると上着の裾を誰かが掴んだ。


「なに泣いているのかな? 相変わらず泣き虫だね!『リヒトくん』は」


「リタ?」


「全く、最近凄くカッコ良くなったと思ったのに、泣き虫は変わらないね…リヒトくんはこれだからもう…ほぉら行くよ」


「何処に行くの?」


「態々言わせないでよ! 私の部屋に決まっているじゃない? 他に何処に行くって言うのよ!」


「それって…」


「女の子に態々言わせないで」


「リタ…止めた方が良いよ、多分俺今日リタと一緒に居たらきっと…」


「これだからリヒトくんは…あのさぁ、私、さっき返事して無かったよ! それなのに勝手に飛び出して…リヒトくんを振ったのは『2人』だけでしょう? 私振って無いわ…それなのに泣きながら出て行って馬鹿じゃ無いの?まさかハーレムが作れないから~とか言わないわよね? リヒトくんはガイアじゃないんだから諦めなさい! 私1人で…ね」


『リヒトくん』か懐かしいな。


背が低くくて子供扱いされたくないのか、小さい頃そう呼ばれていたな。


「リタ…」


「ほうら…私だって本当は恥ずかしいんだからね…ほら行くわよ」


「うん」


俺はリタに手を引かれながら、後を付いていった。


◆◆◆


「あの…リタ」


「もう、此処迄きたんだから、しっかりしなさいよ! 折角、カッコ良かったのに台無しだよ」


「ごめん…」


「まぁ、良いよ…それでリヒトは私の事が好きなのよね?」


「好きだよ!」


「解ったわ…それでどの位好きなのかな?」


「自分の命以上に大切と思える位、好きだよ!」


「そう…嘘じゃないのよね?」


「うん…」


「そう…嘘だったら殺すからね!良いわ受け入れてあげるわ」


「えっ…」


嘘だろう…


「だ~か~ら受け入れてあげるっって言ったのよ!ガイアにはマリアもエルザも居るし…リヒトくんが可愛そうだから受け入れてあげるわ!勇者のガイアをやめてリヒトくんを選んだんだから…絶対に幸せにしなさいよ」


「解った」


「うん、それなら良いよ…だけど気持ちは受け入れたけど、私は賢者だからね、最後までは出来ないよ? 解っているよね? 最後の一線を超えるのは…魔王討伐の後になるよ? 私の事が好きなら待てるよね? その代わり、リヒトがしたい事…その最後の一線を超えないならして良いよ…うぐっ、ハァハァうぐっ…ちょっとまぁ良いわ」


俺は話の途中で待ちきれずにリタの唇を奪った。


「リタ、愛しているよ」


「知っているわ…」


「世界で一番愛している」


「ハァハァ、当たり前じゃない」


リタが凄く愛おしく思えた。


◆◆◆


「大好きだよリタ…」


笑顔でリヒトくんは私を押し倒した。


だけど、まるで宝物を扱うかのように大切に触ってくる。


それに…


「あの…私こういうの苦手だから…その優しくしてくれる」


黙って頷いてリヒトくんはキスしてきた。


「うん、うんうぐっうんうん」


いきなり舌を入れてきた…こんなキス私、知らないよ、お父さんやお母さんもしていなかったし、ガイアだってしてこなかった。


リヒトくんの舌が私の舌を求めて蛇みたいに動いている気がする。


キスだけでこんなに違うの…なんだか頭がぼぉーっとしてきた。


こんなキス…まさか手慣れているの? 


「ハァハァリヒトくん…随分手慣れている…まさか遊んでいたの?」


「ハァハァ手慣れてなんてないよ…大好きなリタにしたい事しているだけだよ」


そう…それなら言いよ。


それに私だってガイアとイチャついていたからそうでも責められないし…


「ハァハァそう…嘘、そこは、そこは汚いわ、そんな事しなくて良いから、恥ずかしい、本当に、あああー-っ、どうしても触りたいなら…お風呂、お風呂に入らせて…ハァハァあああーーっ」


お風呂にすら入っていないし、汗で本当に汚いんだから…


そんな所触られた事ないし…そんな汚い所にキスしたり舐めたりなんて普通はできないよ…


「ハァハァ…なんでそんなことが出来るのよ…そんな事ハァハァ普通は出来ないよ…汗かいているし本当に汚いよ」


「大好きなリタに汚い所なんてないよ…」


恥ずかしいけど…凄く気持ち良い…自分の体の中で一番汚い部分まで口をつけてくる、リヒトくんが…凄く愛おしく感じる。


こんな事、絶対に好きな相手じゃないと出来ないよ。


リヒトくんにされる事、全てが凄く気持ち良い…これが本当の愛の営みだというなら、今迄のは違う。


これが愛だと言うなら『私はガイアを愛してなんていなかった』事になる。


「ああっ、あああんあん」


だって、リヒトが私にしている事をガイアにしてあげる事なんて…絶対に出来ない。


リヒト…そんなに私が好きだったの?


こんな一生懸命、私を求めてくる位好きだったの?


愛されているのが凄く解るよ…こんな愛し方なんてきっと誰にもできないよ…本当に好きじゃないと絶対に出来ない…


ああっ、またそんな所に顔を埋めて…


気がつくと私はリヒトくんの頭を押さえつけていた。


まるで、リヒトくんの口を快感で貪るように…


もう何回逝かされたか解らない…


気がつくとシーツがグチャグチャになっていた。


こんなにも愛してくれたんだから…私も…しないとね。


まるで淫乱みたいな行為だけど…認めるしかないな…これは『愛』なんだと…


きっとこんな愛し方リヒトくんしか私にする人は居ないよ…


此処迄してくれるなら、私だって答えなくちゃ…


私だってリヒトの事を好きだし…愛しているんだから…


「リヒトくん、今度は私がしてあげる…だから教えて…ハァハァ」


私はリヒトくんがしてくれた様に口にリヒトくんを頬張った。


お互いが競いあうように…淫らになっていく…




あれっ…


「リヒトくん、私もしかして気を失っていたの?」


「そうみたいだね…というか疲れていたのかな、その握ったまま寝ちゃったよ」


「あっ…ゴメン」


「別に良いよ…リタの寝顔凄く可愛かったし」


「全く、リヒトくんは本当に恥ずかしい事ばかりして…その嬉しいけど…あの、もしかして、まだしたいの?」


リヒトくんはニコリと笑い私を引き寄せ口づけをしてきた。


こんなに求められている…そう思うと嬉しくて仕方なくなる。


私はきっともう…リヒトくん無しでは生きていけない。


こんな愛し方されたら…もう他の男なんて絶対に愛せない。






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