第4話

友達と話しながら、ボクは学校の帰り道を歩く。


親友二人と歩きながら、昨日見たアニメの内容にでもついて話して。


そして、そんな男時代のボクの記憶が、大きなトラックによって全て破壊される。


吹っ飛ばされたボクに駆け寄ってくる二人。

何か口にしている。


が、耳が聞こえない。声も出せない。体も動かせない。何より、激痛が身体中の至る所に走って、それどころではない。


ピーポーピーポーという救急車の音を尻目にボクは悪夢から目覚めた。






目を見渡すと、いつも通りの今世のボクの部屋。ベッド脇には、スマホが置いてあり、先日の達彦の絶縁が脳裏をよぎる。


「お、やっと起きたか?もう20時だぞ」


…?達彦の声?パッと声の方に顔を向けると、そこには達彦がいた。


さっきまで、ボクの机に座って勉強していたのだろう。そこには、達彦の勉強道具が並べられていた。


…。あ、夢か。だってボクは達彦に絶縁されたんだし。こんな小学生時代みたいに、もう達彦は来ないんだから。


「夢じゃないって、どうした?まだ寝ぼけてんのか?」


え?夢じゃない?


右の頬をつねる。痛い。

左の頬もつねる。痛い。


「え?夢じゃない!」


「はいはい、おはようさん。まあ、夜だけど」


そう言いながら、彼はボクに笑いかけた。










「さて、今日は言いたいことがあってお前の部屋にきました。何か分かるな?」


…。わかる。わかってしまう。おおよそ、今までの恨みだろう。だからといって、ここまで押しかけてこなくてもいいのに。


「は、恨み?え、俺がお前への?」


だって、それしか考えられないじゃないか。今までのボクの横暴な態度への恨みしか。ついこの前のあの絶縁もあるんだし。


「絶縁?あ、あの時の…。ちょ、ちょっと待て。お前は何か勘違いをしている。一旦俺の話を聞いてくれ」


やだ。ボクは君との思い出は楽しくありたいんだ。


「いや、こんな性格じゃないじゃんお前。しおらしいなんてらしく無い。いいか?簡潔に重要なことだけ言う。だから、しっかり聞け」


やだったらやだ。


「俺はお前のことを別に嫌ってなんか無いし。あれは絶縁じゃ無い。というか、ちゃんと言ったよな?お互いにもっと友人を作るために、一旦距離を置こうって」


え?


「お前人の話聞いてなかったのかよ」


ボクの性格が嫌になったわけじゃ無いの?


「なるわけないだろ」


ボクのことが嫌いになったんじゃないの?


「だから、違うって」





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