相手に指摘されて、つい「でも」と言いたくなる気持ちはわかります。それが行き過ぎると……。淡々と紡がれる過去の事象は読みやすくも、恐怖を助長していきます。自分もやってしまいがちな行動なのに、主人公とはどこか違う。そうした雰囲気が最高です。本作品は意外性がウリなので、多くを語ることはできません。しかし、確実な驚きを保証します。
言い訳はしない方が良い。それは間違いなくその通りなのだけど、その言葉は、大人が子供の言い分を聞かない為の手段にもなることを忘れない方が良い。理由を口にできるならした方が良いし、対話は大切だから。そうでないと、行き場のないモヤをとんでもないモノのせいにしてしまうかもしれない。誰にだってありうる、“言い訳”を繰り返した主人公のサイコな顛末の物語。