第一章
第一話
魔物の森、その奥地、そこで僕はよく狩りをしている。魔物の肉は食料になるから。
僕は孤児でしかも孤児院にも入ってない。だからスラム街で暮らしているし、自分で色々とやらなければならない。食料の調達から住む場所の確保、衣服まで。
正直、面倒だしやりたくない、けど、生きるためにはやらなきゃいけないから。
いいこともあった。じっちゃんに色々と教えてもらえたから。
じっちゃんって言うのは、数年前にスラム街を訪れた初老の学者。学者なだけにたくさんのことを知っていた。そして、剣術や体術などの闘い方も。
僕はじっちゃんから剣術や狩りのやり方を教わった。そして剣をもらった。切れ味のすごい奴を。
そのおかげで今ではスラムの一角をまとめている。まとめているって言っても一部だけだけど。
学魔論隊。じっちゃんに集まったスラムの住人で出来た集団。生きるために協力し合う関係だ。名前はじっちゃんがつけた。
じっちゃんは隊が出来てからすぐにどっかにいっちゃった。なので、その中で一番強い奴が隊長になることになった。
初代隊長はじっちゃん。一週間ぐらいだけ。
二代目がガルス。気のいい奴だが荒っぽい大男。冒険者だ。
そして、三代目の僕。現在十才の子供。異論は出なかった、じっちゃんの一番弟子と言う点とある二つの事件のおかげで。
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