プロローグ3
男の頭から血が出てきた。貴族の子は怯えていた。貴族の子だけでない。もう一人の護衛もだ。
普通なら人を傷つけることに罪悪感を覚えるものなのだろうが、少年にそれは無い。当然のことだろう。今までそれを受けて来たのが少年である。
男が気絶している事を確認した少年は、次にもう一人の男に“黒い腕”を伸ばした。
今回は簡単だった。最初の男は抵抗して来たがこの男は抵抗しなかった。意味がないと悟ったのだろう。
少年は無抵抗な男を振り落とした。血は出ていないが気絶した事を確認できた。
最後は貴族の子だ。
ー汚い
少年がそれを見て最初に思った事だ。それは泣きながら失禁していた。ガタガタと歯を鳴らしながら。
それとは勿論、貴族の子だ。
少年は“黒い腕”でそれを掴み気絶させる。
最後に一つ問題が残る。この3人をどうするか、だ。少年はスラム街出身で学はないがこれは分かる。生かしておけば面倒なことになる、と。
手っ取り早いのが殺してしまう事である。でも流石に・・・と思ったようだが今更、と割り切った。
少年は三人を“黒い腕”で掴み、スラムの外へと歩き始めた。
その後だが、三人を見たものはいない。代わりに子供一人と大人二人の遺骨がスラム近くの森で見つかったとか、見つからなかったとか。
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